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耳の病気 MediBilbao Salud

メニエール病とは?めまい発作の症状・原因・治療と生活の注意

メニエール病は、ぐるぐる回るような激しいめまい(回転性めまい)の発作をくり返し、難聴、耳鳴り、耳がつまった感じを伴う内耳の病気です。内耳のリンパ液が増えすぎた状態(内リンパ水腫)によって起こると考えられています。症状、原因、ほかのめまいとの違い、検査、治療と生活の注意を整理します。

テーマ
耳鼻咽喉科
更新日
読了時間
8分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757
診察室で医師にめまいの症状を説明する人
メニエール病の診断には、聴力検査と目の動きの検査が欠かせません。AIで作成したイラストです。

メニエール病とは?

メニエール病は、日常生活に支障が出るほどの回転性めまいの発作をくり返し、吐き気、聞こえの変動、耳のつまった感じや圧迫感、耳鳴りを伴う病気です。回転性めまいとは、自分や周りが動いたり回ったりしているように感じるめまいのことです。

耳の奥(内耳)は、リンパ液で満たされた袋のような構造をしています。このリンパ液はつくられては吸収され、ふだんは一定の量に保たれています。メニエール病では、このリンパ液がつくられすぎるか、吸収が追いつかなくなって増えすぎた状態(内リンパ水腫)になり、症状が起こると考えられています。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、メニエール病を、難聴、耳鳴り、耳のつまり感などの聴覚の症状を伴うめまいをくり返す病気と説明しています。

メニエール病の原因とストレス

メニエール病の症状は内リンパ水腫によって起こりますが、なぜリンパ液が増えすぎるのかは、はっきりわかっていません。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、内リンパ水腫の誘因として、さまざまなストレスが関与していると考えられるとしています。発作のきっかけになっていることがないか、ふだんの生活を振り返ってみることも大切です。

一方で、発作そのものは、何かに誘発されるわけでもなく突然起こるのが特徴です。この点は、寝返りや起き上がりなど頭の位置を変えたときに起こる「良性発作性頭位めまい症」とは異なります。

メニエール病の症状

  • 回転性めまいの発作:突然起こり、吐き気や嘔吐を伴うことがほとんどです。通常20分から12時間続き、まれに24時間に及ぶこともあります。
  • 耳のつまり感・圧迫感:発作の前や最中に、症状のある側の耳によく起こります。音が異常に大きく、またはゆがんで聞こえることもあります。
  • 難聴:発作の後、症状のある側の耳の聞こえが悪くなることがあります。とくに低い音(母音の音)が聞き取りにくくなります。
  • 耳鳴り:「キーン」といった音が、ずっと、またはときどき聞こえ、発作の前後に強まることがあります。

典型的には片方の耳だけに起こります。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、聞こえはめまいの前後に悪くなり、めまいがよくなるとともに回復しますが、発作をくり返すうちに悪化していくこともあります。めまいと聴覚の症状のどちらか一方だけが悪化をくり返すタイプもあります。

メニエール病の経過

病気の初めのうちは、発作と発作のあいだには症状がまったくなくなることがあり、症状のない期間が1年近く続くこともあります。

しかし病気が進むと、聞こえは変動しながらも何年もかけて少しずつ悪くなり、耳鳴りが絶えず続くようになることがあります。症状のある側の耳では、多くの人で10〜15年以内に中等度から高度の難聴になるとされています。

また、めまいの発作が初めて起こる数か月から数年前に、難聴と耳鳴りが先に現れるタイプもあります。このタイプでは、めまいの発作が始まると聞こえがよくなる場合があります。

ほかのめまいとの違いと、受診の目安

めまいがすると脳の病気を心配する人が多いのですが、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、実際に脳の病気によるめまいは比較的少数です。メニエール病では、意識を失う、手足がしびれるといった脳の障害を思わせる症状は伴いません。

  • すぐに救急へ:めまいとともに、意識が遠のく、言葉が出にくい・ろれつが回らない、手足が動かない・感覚がない、激しい頭痛がある(脳卒中の可能性)
  • 耳鼻咽喉科を受診:めまいの発作をくり返す、めまいとともに聞こえが悪くなる、耳鳴りや耳のつまり感がある
  • 良性発作性頭位めまい症の可能性:寝返りや起き上がりなど、頭の位置を変えたときに数秒から数十秒のめまいが起こり、難聴や耳鳴りは伴わない

メニエール病の診断や経過を見るには、聴力検査と目の動きを観察する検査が必要なため、耳鼻咽喉科を受診してください。

メニエール病の検査と診断

回転性めまいと、片方の耳の耳鳴り・難聴という典型的な症状がそろうと、メニエール病が疑われます。

  • 聴力検査:どの高さの音が聞こえにくいかを調べます。メニエール病では、低い音から聞こえにくくなるのが特徴です。
  • 眼振(がんしん)検査:ものに目の焦点を合わせたまま頭を左右に動かしてもらうなどして、目の動きを観察します。
  • MRI検査:ほかの原因(聴神経の腫瘍など)がないかを調べるため、造影剤(ガドリニウム)を使ったMRI検査を行うことがあります。

めまいが頭の位置の変化で起こるかどうかも、ほかのめまいと区別するための大切な手がかりになります。発作が起きた日時、続いた時間、聞こえや耳鳴りの変化をメモしておくと、診断に役立ちます。

防音室で聴力検査を受ける人と、検査を行う専門職
聴力検査では、低い音から聞こえにくくなっていないかを調べます。AIで作成したイラストです。

メニエール病の治療①:発作を減らす生活の工夫と薬

メニエール病の治療の基本は、発作を予防することです。

  • 塩分を控える:減塩の食事を続けます。
  • アルコールとカフェインを控える
  • 利尿薬:尿の量を増やす薬を使い、内耳の水分の増えすぎを抑えます。

これらによって、多くのメニエール病の人でめまい発作の頻度を減らせるとされています。ただし、治療をしても少しずつ進む難聴は止まらないことがあり、長く治療を続ける必要がある場合もあります。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、治療は生活指導と内リンパ水腫を軽くするための薬が中心で、治りにくい場合は手術や平衡機能訓練を行うこともあるとしています。ストレスが関わると考えられているため、睡眠や休養を含めて生活を整えることも大切です。

メニエール病の治療②:発作が起きたときと、手術

発作が起きたときは、めまいを一時的に和らげる薬(抗ヒスタミン薬のメクリジンや、抗不安薬のロラゼパムなど)や、吐き気を抑える薬(プロクロルペラジンなど)が使われます。これらは発作を予防するものではないため、毎日飲むのではなく、発作が起きたときに使います。

生活の工夫や薬を続けても発作が頻繁に起こり、生活に支障が出る場合は、次のような治療が検討されます。

  • 内リンパ嚢開放術:内耳の液体の圧力を下げる手術で、体への負担が最も少ない方法です。
  • ゲンタマイシンの注入:鼓膜から中耳に薬を注入し、平衡感覚を担う内耳の構造を壊します。難聴が起こるリスクがあります。
  • 前庭神経切断術:平衡感覚の神経を切る手術で、聴力は通常保たれ、約95%の人でめまいが軽くなります。
  • 迷路摘出術:めまいが激しく、聴力も落ちている場合に、平衡感覚の器官を取り除きます。人工内耳で聴力を補える場合があります。

どの手術も、メニエール病に伴う難聴そのものを治すことはできません。

ソファで毛布をかけて横になり、家族に付き添われる人
発作が起きたときは、安全な場所で横になって休みます。AIで作成したイラストです。

出典によって異なる点:めまいの薬(ベタヒスチン)は効くのか

MSDマニュアル家庭版は、発作の予防として減塩、アルコールとカフェインの制限、利尿薬を挙げ、内耳の血流を改善するとされるベタヒスチンについては触れていません。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、内リンパ水腫を軽くするための薬を使うとしています。

ヨーロッパなどで広く使われているベタヒスチンについて、BEMED試験(Adrionら、2016年)は、ドイツの14施設でメニエール病の成人221人を、偽薬、低用量、高用量のベタヒスチンの3群に分け、9か月間比べました。その結果、めまい発作の回数は3群のあいだで差がなく、低用量でも高用量でも偽薬を上回る効果はみられませんでした。一方で、発作の回数は試験の期間中にどの群でも減っていました。

メニエール病は自然に発作が減る時期もある病気で、偽薬でも発作が減ったことから、薬の効果を判断するには偽薬と比べた研究が欠かせないことがわかります。

メニエール病のポイント

  • メニエール病は、回転性めまいの発作をくり返し、難聴、耳鳴り、耳のつまり感を伴う内耳の病気です。
  • 内耳のリンパ液が増えすぎる内リンパ水腫が原因と考えられ、ストレスが誘因として関わるとされています。
  • 発作は突然起こって20分から12時間ほど続き、多くは片方の耳に、とくに低い音の難聴を伴います。
  • 意識の変化、ろれつが回らない、手足の麻痺やしびれ、激しい頭痛を伴うめまいは、すぐに救急へ。
  • 減塩、アルコールとカフェインの制限、利尿薬で発作を減らせることが多く、難治の場合は手術も検討されます。
  • 大規模な試験では、ベタヒスチンは偽薬と比べて発作を減らしませんでした。

メニエール病についてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

メニエール病の原因は何ですか?

内耳のリンパ液が増えすぎた状態(内リンパ水腫)によって症状が起こると考えられています。なぜ増えすぎるのかははっきりしていませんが、さまざまなストレスが誘因として関わると考えられています。

めまいの発作はどのくらい続きますか?

通常は20分から12時間ほどで、まれに24時間続くこともあります。発作の前や最中には、症状のある側の耳がつまった感じになることがよくあります。

メニエール病は治りますか?

減塩などの生活の工夫や利尿薬によって、多くの人で発作の回数を減らせます。ただし、難聴は少しずつ進むことがあり、多くの人では10〜15年以内に症状のある耳で中等度から高度の難聴になるとされています。

食事で気をつけることはありますか?

塩分を控えた食事を続け、アルコールとカフェインを控えることがすすめられています。

良性発作性頭位めまい症とどう違いますか?

良性発作性頭位めまい症は、寝返りや起き上がりなど頭の位置を変えたときに数秒から数十秒のめまいが起こり、難聴や耳鳴りは伴いません。メニエール病の発作はきっかけなく起こり、数十分から数時間続き、聴覚の症状を伴います。

手術が必要になることはありますか?

生活の工夫や薬で発作が減らず、生活に支障が出る場合は、内リンパ嚢開放術、ゲンタマイシンの注入、前庭神経切断術などが検討されます。ただし、どの手術も難聴そのものを治すことはできません。

出典

  1. MSDマニュアル家庭版 · メニエール病
  2. 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 · めまい・顔面神経麻痺(メニエール病)
  3. Adrion C, et al. Efficacy and safety of betahistine treatment in patients with Meniere's disease: primary results of a long term, multicentre, double blind, randomised, placebo controlled, dose defining trial (BEMED trial). BMJ. 2016

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。