側弯症とは?
側弯症は、背骨が左右に曲がった状態で、背骨そのもののねじれを伴うことがあります。通常は、子どものころにみられる背骨の変形を指します。
比較的よくみられる病気で、10〜16歳の子どもの1〜3%に起こります。日本整形外科学会によると、日本での発生頻度は1〜2%程度で、女子に多くみられます。
男女で発生率に差はないとする報告もありますが、女子では側弯症が進行して装具や手術が必要になる確率が10倍高いとされています。
側弯症の種類と原因
- 特発性側弯症:原因がわからない側弯症で、全体の60〜70%を占めます。思春期の初め(青年期早期)に最も多くみられます。
- 先天性側弯症:生まれつきの背骨の異常による側弯症です。
- 症候性側弯症:神経や筋肉の異常などによる側弯症です。
遺伝的な原因が関係する場合もあります。通常は原因を特定できず、特発性側弯症とされます。
側弯症に気づくサイン
軽い側弯症では、通常は症状がありません。そのため、見た目の変化で気づくことが多くあります。
- 左右の肩の高さが違う
- 肩甲骨が片方だけ出っ張っている
- 腰の高さが左右で違う
- 胸(胸郭)の形が左右で違う
- 服の丈がまっすぐにならない
背中の上の方の曲がりは右側に、下の方の曲がりは左側に出っ張ることが多く、そのため右肩が左肩より高くなることがよくあります。親や先生、医師がこうした変化に気づいて見つかることもあります。
側弯症の症状
軽い側弯症では、長い時間座ったり立ったりした後に、背中が痛んだり、こったりすることがある程度です。
側弯が進行すると、次のような問題が起こることがあります。
- 痛み:中くらいから強い腰や背中の痛み、慢性的な痛み
- 体の変形:目立つ体の変形
- 内臓への影響:重い場合は、曲がりによって肺が変形し、心臓や肺の働きが低下することがあります。
側弯症があることや、その治療によって、思春期の子どもの自己像や自尊心が傷つくことも少なくありません。必要に応じて、カウンセリングなどの心のサポートも検討します。
側弯症の検査
- 前かがみの姿勢での観察:子どもに前かがみの姿勢をとってもらい、後ろから背骨を観察します。背骨の曲がりが最も見つけやすい姿勢です。
- X線検査:立った姿勢で背骨全体のX線写真を撮り、曲がりの角度を測ります。背骨や肋骨にほかの異常がないかも調べます。
- コブ角:X線写真で、最も傾いている上下の背骨に沿って2本の線を引き、その角度で曲がりの程度を表します。
- 神経の検査やMRI:症候性側弯症かどうかを見分けるのに役立ちます。
短い期間で悪化している場合や、悪化が予想される場合は、年に数回、注意深く診察を受ける必要があります。

側弯症が悪化しやすい条件
側弯症が悪化するかどうかには、曲がりの程度、曲がっている位置、子どもの年齢が関係します。
- 曲がりが大きい:曲がりが大きいほど、悪化しやすくなります。
- 年齢が低い:診断されたときの年齢が低く、骨がまだ大きく成長する時期であるほど、悪化しやすくなります。
- 思春期:背骨の成長期である思春期に悪化することが多くあります。
ただし、側弯症のある子どもの大多数では、曲がりがそれ以上悪化することはなく、小さいままでとどまります。
側弯症の治療:経過観察・装具・手術
治療は、側弯症の原因、程度、年齢などによって異なります。治療を早く始めるほど、重い変形を防げる可能性が高まります。
- 経過観察と運動療法:特発性側弯症で程度が軽い場合は、運動療法などを行いながら経過を見ます。
- 装具治療:進行する場合は、背骨をまっすぐに保つための装具をつけます。さらなる変形を防ぐために理学療法も受けます。
- 手術:中くらいから重い側弯症では、背骨を固定する手術(脊椎固定術)が必要になることがあります。先天性や症候性で悪化が予想される場合にも手術を行うことがあります。
日常生活と心のケア
- 定期的な診察:曲がりが小さくても、成長期のあいだは定期的に医師の診察を受けることが必要です。
- 装具を続ける:装具は、医師の指示どおりの時間つけることが大切です。
- 運動:軽い場合は、運動療法などを行いながら経過を見ます。
側弯症とその治療は、思春期の子どもの自己像や自尊心を傷つけることが少なくありません。必要に応じて、カウンセリングや精神療法を受けることも検討しましょう。

出典によって異なる点:装具は本当に効くか
MSDマニュアル家庭版と日本整形外科学会は、進行する特発性側弯症に装具治療を行うとしていますが、その効果の大きさは示していません。
Weinsteinらの研究(2013年)は、装具が必要とされる年齢・骨の成長段階・曲がりの程度の思春期特発性側弯症の242人を対象に、装具と経過観察を比べました。装具は1日18時間以上つけるよう指示されました。骨の成長が終わるまで曲がりが手術の目安(50度以上)に達しなかった人の割合は、装具のグループで72%、経過観察のグループで48%でした。また、装具をつけた時間が長いほど、効果が高くなりました。この結果から、試験は予定より早く打ち切られました。
装具は、手術が必要になるほどの悪化を防ぐのに役立ち、つける時間が長いほど効果的です。医師の指示どおりに続けることが大切です。
側弯症のポイント
- 側弯症は、背骨が左右に曲がり、ねじれを伴うこともある病気で、子どもの1〜3%にみられます。
- 原因がわからない特発性が60〜70%を占め、思春期に見つかることが多くあります。
- 肩や腰の高さの違い、肩甲骨の出っ張りなどがサインです。
- 前かがみの姿勢での観察と、X線検査(コブ角)で診断します。
- 軽ければ経過観察、進行すれば装具、さらに悪化すれば手術が検討されます。
- 多くの子どもでは曲がりは小さいままですが、成長期は定期的な診察が必要です。
側弯症についてよくある質問
回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。
側弯症とはどんな病気ですか?
背骨が左右に曲がった状態で、背骨自体のねじれを伴うことがあります。通常は子どものころにみられる背骨の変形を指し、多くは原因がわからない特発性です。
側弯症のサインは?
左右の肩や腰の高さの違い、肩甲骨の片方だけの出っ張り、胸の形の左右差、服の丈がまっすぐにならないことなどです。
側弯症はどうやって調べますか?
前かがみの姿勢をとってもらい、後ろから背骨を観察します。立った姿勢での背骨全体のX線写真で、曲がりの角度(コブ角)を測ります。
側弯症は悪化しますか?
すべてが悪化するわけではなく、多くの子どもでは小さいままです。ただし、曲がりが大きい場合や、骨がまだ大きく成長する時期の場合は悪化しやすく、思春期に悪化することが多くあります。
装具はどのくらい効果がありますか?
研究では、装具をつけたグループの72%で手術の目安まで悪化せず、経過観察のグループ(48%)より多くの人で悪化を防げました。つける時間が長いほど効果が高くなりました。
手術が必要になるのはどんなときですか?
中くらいから重い側弯症で、装具などで悪化を防げない場合に検討されます。先天性や症候性で悪化が予想される場合にも行われることがあります。
出典
- MSDマニュアル家庭版 · 脊柱側弯症
- 日本整形外科学会 · 側弯症
- Weinstein SL, et al. Effects of bracing in adolescents with idiopathic scoliosis. N Engl J Med. 2013
このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。

