鼻血はどこから出る?
鼻血の多くは、左右の鼻を分けるしきり(鼻中隔)の粘膜から出ます。とくに、鼻の入り口から約1cm入ったところは、細い血管が網の目のように表面に浮き出ているため、くり返し出血しやすい場所です。
この部分には血管が多いため、出血の量が多く見えて驚くことがありますが、多くは深刻なものではありません。鼻血は、幼児期から小学校低学年にかけてよくみられます。
鼻血の正しい止め方
- 座る:背筋を伸ばして座り、顔はやや下向きにします。
- 押さえる場所:小鼻を中心に、鼻全体を親指と人差し指でしっかりつまみます。鼻の付け根の骨の部分ではなく、やわらかい小鼻をつまむのがポイントです。
- 時間:約10分間、一度も手を離さずに押さえ続けます。
- 血は飲みこまない:のどに回った血は外に吐き出します。
10分押さえても止まらない場合は、もう一度10分間、同じように押さえます。
よくある間違った対処法
- 首の後ろをたたく:効果はありません。
- 上を向く・あお向けに寝る:血がのどに流れてせきこんだり、飲みこんで気分が悪くなり吐いたりすることがあります。横になる場合も、あお向けは避けます。
- ティッシュを丸めて詰める、氷で冷やす、頭の向きをあれこれ変える:家庭でよく行われますが、効果的ではないとされています。
飲みこんだ血は胃を刺激して吐き気の原因になったり、黒い便として出てきたりすることがあります。
鼻血の主な原因
- 鼻をかむ・いじる:最も一般的な原因です。
- 鼻の粘膜の乾燥:冬など空気が乾燥する時期に起こりやすくなります。
- 鼻炎:かぜによる鼻炎やアレルギー性鼻炎で鼻がかゆくなり、いじることで鼻血が出やすくなります。
- その他:副鼻腔炎、鼻中隔の曲がり(鼻中隔弯曲症)、鼻の中の異物、けがなど。
鼻血が出やすく、止まりにくい人
- 血液をさらさらにする薬(抗血小板薬や抗凝固薬)を飲んでいる人
- 血液が固まりにくい病気(出血性疾患)がある人
- 動脈硬化がある人
高血圧が鼻血の原因になる可能性は低いとされていますが、高血圧の人では鼻血が長引くことがあります。
鼻の奥からの出血に注意
鼻の奥の血管からの出血はまれですが、太い血管からの出血のため危険で、止めるのも難しくなります。鼻をつまんでも止まらず、血が鼻から出る代わりにのどへ流れていくのが特徴です。
- 動脈硬化がある人
- 出血性疾患がある人
- 血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人
- 鼻や副鼻腔の手術を受けたことがある人
こうした人に起こりやすいとされています。
すぐに受診すべきサイン
- 押さえても鼻血が止まらない
- ふらふらする、立ち上がるとめまいがする、顔色が悪い、失神しそうになる
- 出血の勢いが強い、顔のけがを伴う
- 血液をさらさらにする薬を飲んでいる
- 歯ぐきからも出血する、少しのことで皮膚に青あざができる
- はっきりした原因のない鼻血を最近何度もくり返している
まれですが、激しい鼻血をくり返す場合は、鼻の腫瘍や血液の病気が隠れていることもあり、詳しい検査が必要です。
病院での止血処置
- 出血している側の鼻に、麻酔薬と血管を縮める薬をしみこませた綿を詰め、押さえて止血します。
- 出血が多い、くり返す場合は、薬品や電気で出血部位を焼いて閉じることがあります(焼灼)。
- 特殊なスポンジやガーゼ、バルーンを詰めて圧迫することもあります。
- 鼻の奥からの出血では、入院してバルーンを使ったり、内視鏡を用いた手術で出血している血管を止めたりすることがあります。

出典によって異なる点:何分押さえたら受診するか
MSDマニュアル家庭版は、背筋を伸ばして座り、10分間両方の鼻孔をつまむこと、止まらなければもう一度10分間くり返し、それでも止まらなければ医師の診察を受けることをすすめています。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、子どもの鼻血について、小鼻を中心に約10分間しっかり押さえるとしたうえで、30分くらい押さえても止まらない場合などに早めに受診するよう案内しています。顔はやや下向きにし、あお向けにならないことも強調しています。
どちらも「座って小鼻を約10分しっかり押さえる」点は共通しています。2回押さえても止まらない、または気分が悪い、勢いが強いといったサインがあれば、時間にかかわらず受診しましょう。
鼻血のポイント
- 鼻血の多くは、鼻の入り口から約1cmの鼻中隔からの出血です。
- 座って顔をやや下向きにし、小鼻を約10分間しっかり押さえます。
- 首の後ろをたたく、上を向く、ティッシュを詰めるなどは効果がありません。
- 鼻をかむ・いじる、乾燥、鼻炎がよくある原因です。
- 止まらない、ふらつく、勢いが強いときは早めに受診します。
- 血液をさらさらにする薬を飲んでいる人は特に注意しましょう。
鼻血についてよくある質問
回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。
鼻血はどうやって止めればよいですか?
座って顔をやや下向きにし、小鼻を中心に鼻全体を親指と人差し指で約10分間しっかり押さえます。途中で手を離さないことが大切です。
鼻血のとき上を向いてもよいですか?
上を向くと血がのどに流れてせきこんだり、飲みこんで吐いたりすることがあるため、顔はやや下向きにしましょう。
首の後ろをたたくと鼻血は止まりますか?
いいえ。首の後ろをたたいても鼻血は止まりません。小鼻を押さえる圧迫止血が基本です。
鼻血がよく出るのはなぜですか?
鼻の入り口近くには細い血管が集まっていて出血しやすく、鼻をかむ・いじる、乾燥、鼻炎などが原因になります。
どんなときに病院に行くべきですか?
押さえても止まらない、ふらふらする、顔色が悪い、出血の勢いが強い、顔のけがを伴う場合などは、早めに受診してください。
高血圧だと鼻血が出やすいですか?
高血圧が鼻血の原因になる可能性は低いとされていますが、高血圧の人では鼻血が長引くことがあります。
出典
このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。

