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鼻とのどの症状 MediBilbao Salud

咳が止まらないときは?長引く咳の原因と受診の目安、止め方

咳は、気道に入った異物やたんを外へ出し、肺を守るための体の反応です。医療機関を受診する理由として最も多いものの一つで、多くはかぜや鼻の奥から流れる分泌物によるものです。咳が止まらないときに考えられる原因を続いている期間別に整理し、すぐに受診すべきサイン、検査、咳止め薬などの治療を紹介します。

テーマ
耳鼻咽喉科
更新日
読了時間
8分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757
ソファで毛布にくるまり、ティッシュを口に当てて咳をする人
咳の多くは、かぜなどの呼吸器の感染症や後鼻漏によるものです。AIで作成したイラストです。

咳とは?体を守るための反応

咳は、肺から空気を勢いよく吐き出す反応です。気道に入り込んだ異物を取り除き、吸い込んだ粒子から肺を守る働きをしています。自分の意思で出すこともあれば、自然に出てしまうこともあります。

咳には、たんを伴わない乾いた咳と、たんや血を伴う湿った咳があります。たんは、粘液や細胞などが混ざって肺から吐き出されたもので、透明なこともあれば、黄色や緑色、血が混じることもあります。

とても激しい咳が続くと、肋骨のまわりの筋肉や軟骨を痛め、息を吸ったり動いたりするたびに胸が痛むことがあります。咳がつらくて眠れないこともあります。一方で、たばこを吸う人のように、何十年もかけて少しずつ咳が増え、本人が気づきにくい場合もあります。

咳が続いている期間で考える

咳の原因は、どのくらい続いているかによって考え方が変わります。

  • 急性の咳:3週間未満
  • 亜急性の咳:3〜8週間
  • 慢性の咳:8週間以上

「咳が止まらない」と感じたら、まずいつから続いているかを確認しておくと、受診したときに原因を絞り込む手がかりになります。

3週間未満の咳の主な原因

急性の咳で多い原因は次のとおりです。

  • かぜなどの上気道の感染症(急性気管支炎を含む)
  • 鼻炎や副鼻腔炎による、鼻の奥からのどへ流れる分泌物(後鼻漏)
  • 肺炎
  • 百日ぜき
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)や心不全の急な悪化

頻度は低いものの、肺の血管に血のかたまりが詰まる肺塞栓症や、食べものなどの異物を気道に吸い込んだこと(誤嚥)が原因のこともあります。

かぜなどの感染症が治った後も、気道が過敏になって3〜8週間ほど咳が残ることがあり、これが亜急性の咳で最も多い原因です。

8週間以上続く咳の主な原因

慢性の咳で多い原因は次のとおりです。

  • 後鼻漏:鼻炎や副鼻腔炎で、鼻の奥から分泌物がのどへ流れる
  • 胃食道逆流症:胃の中身が食道に逆流する
  • ぜんそく:ゼーゼーする音がなく、咳だけが主な症状になる「咳ぜんそく」もあります
  • 慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 血圧の薬(ACE阻害薬)の副作用
  • 原因がはっきりしない咳

頻度は低いものの、肺がん、結核、肺の真菌感染症が原因のこともあります。認知症や脳卒中のある人は飲み込みが難しくなり、食べものや唾液を少しずつ気管に吸い込んで、周囲が気づかないうちに慢性の咳を起こすことがあります。

ほかに、体の原因が見つからず、心理的なストレスが関わると考えられる「心因性咳嗽」もあります。

すぐに受診すべきサイン

すべての咳ですぐに受診が必要なわけではありません。ただし、次のようなサインがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 息切れがある
  • 咳とともに血が出る(喀血)
  • 体重が減っている
  • 熱が1週間以上続いている
  • 結核やHIV感染症のリスクがある(結核の人との接触、免疫を抑える薬の使用など)
  • 何かを吸い込んでしまった可能性がある

サインが体重減少だけの場合は、急を要する可能性は低いとされています。サインのない急性の咳は、とくに鼻づまりやのどの痛みがあればかぜの可能性が高いため、数日様子を見てもよいでしょう。サインのない慢性の咳は、急ぐ必要はありませんが、時期を見て受診してください。

咳の検査と診断

医師は症状とこれまでの経過を尋ね、診察を行います。たんの色が黄色や緑色かどうかは、細菌感染とそれ以外の原因を見分ける手がかりにはならないとされています。

  • 警戒すべきサインがある場合:指先につけるセンサーで血液中の酸素を測り、胸部X線検査を行います。結核が心配な場合は、皮膚の検査、CT検査、たんの検査も行います。
  • サインがなく原因がわからない場合:よくある3つの原因(後鼻漏、胃食道逆流症、ぜんそく)のどれかに対する薬を試し、咳がよくなれば、それ以上の検査は通常行いません。
  • それでもよくならない場合:胸部X線検査、肺機能検査(ぜんそくやCOPDの確認)、副鼻腔のCT検査、食道の酸を測る検査などを順に行います。

慢性の咳では、通常胸部X線検査を行います。血が混じる場合は、たんの細菌やがん細胞を調べます。長くたばこを吸ってきた中高年の人など、肺がんが心配な場合には、さらに詳しい検査を行います。

診察室で医師に咳の様子を説明する人
咳がいつから続いているかは、原因を考える大切な手がかりです。AIで作成したイラストです。

咳の止め方:原因の治療と咳止め薬

咳を止めるいちばんの方法は、原因になっている病気を治療することです。たとえば肺炎には抗菌薬、ぜんそくやCOPDには気道を広げる薬やステロイドが使われます。咳にはたんを出して気道をきれいにする大切な役割があるため、むやみに止めるべきではありません。

  • 咳止め薬(鎮咳薬):脳の咳の中枢に働いて咳を抑えます。オピオイド系のコデインは、吐き気、便秘、眠気を起こし、依存の可能性もあります。デキストロメトルファンは多くの市販薬や処方薬に含まれる成分で、依存性はなく、正しく使えば眠気はほとんどありません。たんがたくさん出る人では使用を控えます。
  • 去たん薬:たんを薄めて出しやすくする薬ですが、咳を抑えるものではなく、効果を示す科学的な根拠はほとんどありません。
  • 抗ヒスタミン薬:気道を乾燥させるため、アレルギーによる咳以外にはほとんど効かず、気管支炎などではたんを出しにくくしてかえって害になることがあります。
  • 鼻づまりの薬:後鼻漏による咳にだけ役立ちます。

ほかの治療で治らない慢性の咳には、神経の働きを調整する薬が使われることもあります。気化器などで蒸気を吸うと咳が楽になるとよく考えられていますが、咳止めドロップなどと同じく、効果を示す確かな根拠はありません。咳止め薬は、咳がひどいときや医師にすすめられたときに使うのが基本です。

咳が止まらないときに自分でできること

原因によって対処法は異なりますが、受診までのあいだや、原因の治療と並行して、次の点に気をつけましょう。

  • いつから、どんなときに咳が出るか(夜、横になったとき、食後など)、たんの有無や色をメモしておく
  • 息切れ、血の混じったたん、体重減少、続く発熱がないかを確かめる
  • 血圧の薬などを飲んでいる場合は、薬の名前を控えて医師に伝える
  • たばこを吸う人は、医師に喫煙歴を伝える
  • 市販の咳止め薬は、たんが多いときには使いすぎない

食後や横になったときに咳が出る場合は胃食道逆流症、鼻づまりやのどへ流れる鼻水がある場合は後鼻漏、夜間や運動後に出る場合はぜんそくなど、咳の出方は原因を考える手がかりになります。ただし自己判断はせず、長引く場合は受診して原因を確かめてもらいましょう。

ベッドで毛布をかけ、水の入ったコップを手にする人
咳の出方やたんの様子をメモしておくと、受診時に伝えやすくなります。AIで作成したイラストです。

出典によって異なる点:市販の咳止め薬は効くのか

MSDマニュアル家庭版は、デキストロメトルファンやコデインなどの咳止め薬は脳の咳の中枢に働いて咳を抑えるとする一方で、去たん薬の効果を示す根拠はほとんどないと説明しています。

コクランのシステマティックレビュー(Smithら、2014年)は、地域で暮らす人の急性の咳に対する市販薬を偽薬と比べた29件の試験(4,835人)をまとめました。大人では、咳止め薬の結果は試験によってばらつきがあり、去たん薬(グアイフェネシン)は3件中1件でだけ効果がみられ、抗ヒスタミン薬は偽薬と変わりませんでした。子どもでは、咳止め薬、抗ヒスタミン薬、それらの組み合わせのいずれも偽薬より優れていませんでした。

レビューは、試験の数が少なく質にも問題があることから、急性の咳に対する市販薬の効果について、効くとも効かないとも言える十分な根拠はないと結論づけています。

咳が止まらないときのポイント

  • 咳は気道をきれいにし、肺を守るための反応で、多くはかぜや後鼻漏によるものです。
  • 3週間未満、3〜8週間、8週間以上と、続いている期間によって考えられる原因が変わります。
  • 長引く咳では、後鼻漏、胃食道逆流症、ぜんそく(咳ぜんそく)、COPD、血圧の薬などがよくある原因です。
  • 息切れ、血の混じった咳、体重減少、1週間以上続く発熱、異物を吸い込んだ可能性があれば、すぐに受診してください。
  • 治療の基本は原因の病気を治すことで、咳止め薬は咳がひどいときや医師にすすめられたときに使います。
  • 市販の咳止め薬の効果については、研究では十分な根拠が示されていません。

咳が止まらないときによくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

咳が何週間続いたら受診すべきですか?

息切れや血の混じった咳などのサインがなければ、急性の咳は数日様子を見てもよいとされます。3週間以上続く場合や、8週間以上の慢性の咳では、時期を見て受診し、原因を調べてもらいましょう。

長引く咳の原因で多いものは何ですか?

8週間以上続く咳では、鼻の奥から分泌物がのどへ流れる後鼻漏、胃食道逆流症、ぜんそく(咳ぜんそくを含む)、慢性気管支炎やCOPD、血圧の薬(ACE阻害薬)の副作用がよくある原因です。

かぜが治ったのに咳だけ残るのはなぜですか?

呼吸器の感染症が治った後も、気道が過敏な状態が続いて咳が残ることがあります。3〜8週間続く咳で最も多い原因です。

たんが黄色や緑色なら細菌感染ですか?

たんの色が黄色や緑色かどうか、粘り気があるかどうかは、細菌感染とそれ以外の原因を見分ける手がかりにはならないとされています。

咳止め薬は使ってもよいですか?

咳にはたんを出して気道をきれいにする役割があるため、むやみに止めるべきではありません。咳止め薬は、咳がひどいときや医師にすすめられたときに使い、たんが多い場合は控えます。研究では、市販の咳止め薬の効果について十分な根拠は示されていません。

すぐに受診が必要なのはどんな咳ですか?

息切れ、血の混じった咳やたん、体重減少、1週間以上続く発熱、結核やHIV感染症のリスクがある場合、何かを吸い込んだ可能性がある場合は、すぐに受診してください。

出典

  1. MSDマニュアル家庭版 · 成人のせき
  2. Smith SM, Schroeder K, Fahey T. Over-the-counter (OTC) medications for acute cough in children and adults in community settings. Cochrane Database Syst Rev. 2014

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。