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腰の痛み MediBilbao Salud

腰痛の原因と治し方|危険なサイン・慢性腰痛の対策・予防の運動

腰痛は、医療機関を受診する理由として最も多いものの一つで、年齢とともに増え、65歳以上の半数以上にみられます。多くは背骨や椎間板、筋肉や靭帯の問題によるもので、6週間以内に治まりますが、内臓の病気などが原因のこともあります。腰痛の種類と原因、受診の目安、慢性腰痛の対策と予防を整理します。

テーマ
理学療法
更新日
読了時間
8分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757
川沿いの遊歩道をウォーキングする男性
慢性腰痛には、ウォーキングなどの有酸素運動が役立つことがあります。AIで作成したイラストです。

腰痛とは?痛みの3つのタイプ

腰の骨(腰椎)は、体を回す、ねじる、前に曲げるといった動きを可能にし、立つ、歩く、物を持ち上げるための強さを体に与えています。そのため腰は日常生活のほとんどの動作に関わり、痛みが起こると生活に大きく影響します。

  • 局所的な痛み:腰の特定の場所だけに起こる、最も多いタイプ。椎間板の小さなけが、関節炎、筋肉の挫傷やねんざなどが原因になります。
  • 放散痛:腰から脚へ広がる痛み。脚の側面や後ろに出ることが多く、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などで神経の根元が圧迫されていることを示します。
  • 関連痛:腰とは別の場所(内臓など)の病気による痛みが、腰に感じられるもの。

腰痛は年齢とともに増え、治療費や仕事を休むことによる損失など、社会的な負担も大きいことが知られています。

腰痛の主な原因

日本整形外科学会は、腰痛の原因を、腰(背骨)に由来するものと、腰以外に由来するものに分けて説明しています。

  • 成長に伴うもの:生まれつきの異常、側弯症、腰椎分離症など
  • 加齢によるもの:変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変性すべり症など
  • けが:腰椎の骨折や脱臼
  • 感染・炎症、腫瘍:化膿性脊椎炎など、がんの転移
  • 腰以外の病気:解離性大動脈瘤などの血管の病気、尿管結石などの泌尿器の病気、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科の病気、胆嚢炎や十二指腸潰瘍などの消化器の病気、変形性股関節症など

精神的なストレスなど、心理的な要因が関わる場合もあります。高齢者では、骨粗しょう症で骨がもろくなって起こる背骨の圧迫骨折も、腰痛のよくある原因です。

すぐに受診すべき腰痛のサイン

日本整形外科学会は、次のような症状を伴う腰痛は、放置したり自分で対処したりせず、すみやかに整形外科を受診するよう呼びかけています。

  • 安静にしていても痛みが軽くならない、だんだん悪化する
  • 発熱している
  • 脚がしびれる、力が入らない
  • 尿もれがある

このほか、尿が出ない、便がもれる、がんの治療歴や体重減少がある、免疫を抑える薬を使っている、痛みで夜眠れない、腹痛や胸の痛みを伴うといった場合も、重い病気が隠れている可能性があるため早めに受診してください。

腰痛で検査が必要なとき

たいていの腰痛は、関節の変化や筋肉・靭帯の軽いけがなどから起こり、6週間以内に治るため、通常は検査は必要ありません。

一方、危険なサインがある場合や、痛みが長引く場合は、原因を調べるために検査を行います。腰痛はさまざまな原因で起こり、原因によって治療法が異なるため、正確な診断が重要です。

  • X線検査:骨の変化、圧迫骨折、すべり症などを見つけるのに役立ちますが、写るのは骨だけです。
  • MRI検査・CT検査:骨をより鮮明に写し、椎間板や神経の状態も確認できます。
  • そのほか:必要に応じて、骨シンチ、筋電図検査、血液・尿検査などを行います。

診察では、前屈や後屈をしてもらったり、あお向けで膝を伸ばしたまま脚を上げてもらったりして、痛みの種類や神経の圧迫の有無を確かめます。

急に痛くなったとき(急性腰痛)の対処

急に起こった腰痛では、痛みを強める動作を避けつつ、ベッドでの安静は長くても1〜2日にとどめます。長く安静にしすぎると、腹筋や背筋、お尻の筋肉が弱ってこわばりが強まり、かえって回復が遅れます。

痛み止めとしては、炎症がない限りアセトアミノフェンが一般にすすめられ、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)も痛みと炎症を和らげます。最初の2日間は冷やす方が適していて、その後は温めることが助けになる場合もあります。

急に起こった強い腰痛(いわゆるぎっくり腰)については、ぎっくり腰のガイドで詳しく解説しています。

長引く腰痛(慢性腰痛)の治療

慢性の腰痛には、さらに対策が必要です。

  • 有酸素運動:ウォーキングなどの有酸素運動が役立つことがあります。
  • 減量:必要であれば、体重を減らすよう助言されます。
  • 注射:鎮痛薬が効かない場合、ステロイドと局所麻酔薬を背骨の関節や神経の周囲に注射することがあります。ただし効果は数日から数週間程度で、長期的な利益ははっきりしていません。主な目的は、運動を始められる程度に痛みを和らげることです。
  • 手術:椎間板ヘルニアで神経の症状が続く場合や、背骨が不安定になっている場合などに検討されます。

日本整形外科学会は、腰痛で日常生活が制限されると体力が落ち、腰を支える筋力も衰え、気持ちも落ち込むため、さらに腰痛が起こりやすくなる「悪循環」に陥ると指摘しています。この悪循環を断ち切るには、姿勢に気をつけ、腰を支える運動や体操を続けることが大切です。

マッサージ・鍼・整体の位置づけ

  • マッサージ:腰痛を一時的に軽くすることがあります。
  • 鍼(はり):同じような効果があるとする研究もあれば、ほとんど、またはまったく効果がないとする研究もあります。
  • 脊椎の手技(マニピュレーション):運動プログラムと組み合わせると痛みが和らぐ場合があります。ただし、炎症性の関節の病気、首の骨が不安定になる病気、椎間板ヘルニアがある人では、けがのリスクを高めるため避けるべきとされています。
  • 筋弛緩薬:筋肉のけいれんを抑えるために使われることがありますが、有効性については意見が分かれていて、高齢者では副作用に注意が必要です。

これらは、運動など自分で続けられる対策を補うものと考えるとよいでしょう。どの方法が合うかは、整形外科で相談してください。

腰痛を予防する運動と姿勢

腰痛を予防する最も効果的な方法は、定期的に運動することです。有酸素運動、筋力を強化する運動、ストレッチが役立ちます。運動は適正体重の維持にもつながり、体重の負荷がかかる運動は骨密度を保つのにも役立ちます。

  • 骨盤を傾ける運動:あお向けで膝を曲げ、腰を床に押しつけながらお尻と腹筋を締めて、10数えます。
  • 膝を胸につけるストレッチ:あお向けで片方の膝の裏を両手で持って胸へ引き寄せ、10数えます。反対側も同様に行います。
  • 座り方:足の裏全体が床につき、腰が背もたれにつく高さに椅子を調節し、脚を組まずに座ります。
  • 同じ姿勢を続けない:長時間の立ちっぱなしや座りっぱなしは避け、姿勢をこまめに変えます。
  • 持ち上げ方:体をひねらず、股関節と膝を曲げてかがみ、物を体に近づけて脚の力で持ち上げます。

日本整形外科学会も、中腰にならないなど日常の姿勢に注意し、腰の支持性を高める運動を続けるよう呼びかけています。自分の状態に合った運動の内容は、整形外科で相談するとよいでしょう。

マットの上であお向けになり、理学療法士の指導で腰を持ち上げる運動をする女性
腰を支える筋肉を鍛える運動は、腰痛の予防に役立ちます。AIで作成したイラストです。

出典によって異なる点:慢性腰痛に運動はどのくらい効くか

MSDマニュアル家庭版は、慢性腰痛には有酸素運動が役立つことがあるとし、予防のための運動を紹介していますが、運動の効果の大きさについては具体的に示していません。日本整形外科学会は、治療の選択肢として内服薬、ブロック注射、コルセット、牽引、運動器リハビリテーション、手術を挙げています。

コクランのシステマティックレビュー(Haydenら、2021年)は、慢性腰痛に対する運動療法の249件の試験をまとめました。運動療法は、治療なしや通常のケア、偽の治療と比べて、痛みをはっきり意味のある程度に和らげました(中程度の確かさの根拠)。体の機能の制限も改善しましたが、その差は意味のある大きさには届きませんでした。ほかの保存的な治療と比べても、運動療法の方が痛みと機能の改善が大きいという結果でした。

慢性腰痛では、受け身の治療より、運動を続けることが痛みの改善に役立つ可能性が高いといえます。

腰痛のポイント

  • 腰痛には、腰だけが痛む局所的な痛み、脚に広がる放散痛、内臓などの病気による関連痛があります。
  • 原因は、加齢による背骨の変化やけがのほか、血管・泌尿器・婦人科・消化器の病気やストレスのこともあります。
  • 安静にしても治まらない痛み、発熱、脚のしびれや力が入らない、尿もれなどがあれば、すみやかに受診してください。
  • たいていの腰痛は6週間以内に治まり、危険なサインがなければ検査は通常必要ありません。
  • 慢性腰痛では、有酸素運動や体操を続けることが大切で、研究でも運動療法が痛みを和らげることが示されています。
  • 予防には、定期的な運動、適正体重、よい姿勢、正しい持ち上げ方が役立ちます。

腰痛についてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

腰痛の原因で多いものは何ですか?

多くは、関節の変化、椎間板の小さなけが、筋肉の挫傷やねんざなど、背骨とその周りの組織の問題です。加齢による椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、高齢者の圧迫骨折のほか、腰以外の内臓の病気やストレスが原因のこともあります。

腰痛で病院に行くべきなのはどんなときですか?

安静にしても痛みが軽くならない・だんだん悪化する、発熱、脚のしびれや力が入らない、尿もれなどがある場合は、すみやかに受診してください。痛みが6週間以上続く場合も受診しましょう。

腰痛のときはレントゲンを撮った方がよいですか?

たいていの腰痛は6週間以内に治るため、危険なサインがなければ通常は検査は必要ありません。危険なサインがある場合や痛みが長引く場合に、X線やMRIなどの検査を行います。

慢性腰痛にはどんな治療がありますか?

有酸素運動や体操を続けること、必要に応じて減量することが基本です。痛み止め、注射、マッサージなどが補助的に使われることもあり、椎間板ヘルニアなどで神経の症状が続く場合は手術が検討されます。

腰痛に鍼やマッサージは効きますか?

マッサージは腰痛を一時的に軽くすることがあります。鍼は効果があるとする研究とほとんどないとする研究があります。運動など自分で続ける対策と組み合わせて考えるとよいでしょう。

腰痛を予防するにはどうすればよいですか?

定期的な有酸素運動、筋力を強化する運動、ストレッチ、適正体重の維持、よい姿勢、長時間同じ姿勢を続けないこと、体をひねらず脚の力で物を持ち上げることが役立ちます。

出典

  1. 日本整形外科学会 · 症状・病気をしらべる「腰痛」
  2. MSDマニュアル家庭版 · 腰痛
  3. Hayden JA, et al. Exercise therapy for chronic low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2021

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。