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腰の痛み MediBilbao Salud

ぎっくり腰とは?原因・治し方・やってはいけないこと、受診の目安

ぎっくり腰は、急に起こった強い腰の痛みを指す一般的な呼び名です。重い物を持ち上げたときや腰をひねったときに起こることが多いものの、朝起きた直後や何もしていないときに起こることもあります。多くは数日から数週間で治りますが、まれに重い病気が隠れていることもあります。原因、受診の目安、直後の対処、再発予防を整理します。

テーマ
理学療法
更新日
読了時間
8分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757
リビングでゆっくり歩いて体を動かす人
ぎっくり腰では、安静にしすぎず、できる範囲で動くことがすすめられています。AIで作成したイラストです。

ぎっくり腰とは?

日本整形外科学会によると、「ぎっくり腰」は急に起こった強い腰の痛みを指す一般的な呼び名(通称)で、病名や診断名ではありません。

何か物を持ち上げようとしたとき、腰をねじる動作をしたときなどに起こることが多いのですが、朝起きた直後や、特に何もしていないときに起こることもあります。

腰の骨(腰椎)は、体を回す、ねじる、前に曲げるといった動きができるよう柔軟につくられています。その分、背骨を支える筋肉や靭帯、骨と骨のあいだのクッションである椎間板には大きな負担がかかりやすく、思わぬ動きでけがをすることがあります。

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰の痛みの原因はさまざまですが、日本整形外科学会は次のようなものが多いと考えられるとしています。

  • 関節や椎間板のけが:腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に、許容範囲を超える力がかかって傷ついた状態(捻挫、椎間板損傷)
  • 柔らかい組織のけが:腰を支える筋肉や腱、靭帯などの損傷

こうしたけがは、物を持ち上げる、運動する、思わぬ方向に体が動くといった日常の動作の中でも、転倒や事故などでも起こります。多くの場合、画像検査をしても、どこが傷ついたのかを特定することはできません。

前かがみになったときや、とくに重い物を持ち上げたときに、椎間板に過剰な力がかかって外側が裂け、中身が飛び出すと、椎間板ヘルニアとして腰や脚の痛みを起こすこともあります。

ぎっくり腰に隠れていることがある病気

ぎっくり腰の多くは筋肉や関節のけがですが、日本整形外科学会は、次のような場合には別の病気の可能性もあるとしています。

  • 脚に痛みやしびれがある、力が入らない:椎間板ヘルニア、中年以上では腰部脊柱管狭窄症などの可能性
  • まれに重大な原因:がんが転移して弱くなった背骨の骨折(病的骨折)、細菌による背骨や椎間板の化膿

ふだんとは違う強い腰痛のときは、整形外科を受診して正しい診断を受け、万が一にも重大な原因の発見が遅れないよう注意する必要があります。

また、腰の痛みは、腹部の大動脈のこぶ(腹部大動脈瘤)、消化器の病気、尿路の病気などで起こることもあります。

すぐに受診すべき危険なサイン

腰痛があるときは、次のようなサインに注意が必要です。

  • しびれ、片脚または両脚の力が入らない、尿が出ない、尿や便がもれる(神経や脊髄の圧迫のおそれ)
  • 発熱
  • がんの治療歴がある、体重が減っている
  • 免疫を抑える薬を使っている、最近手術を受けた、けがをした
  • 夜間のひどい痛み、安静にしても軽くならず、だんだん強くなる痛み
  • 腹痛や胸の痛み、おなかの上の方で脈打つような感じ
  • 嘔吐、ひどい腹痛、黒い便や血便
  • 尿が出にくい、血尿、わき腹から足のつけ根に広がる激しい痛み

発熱がある場合や、神経の障害、腹部大動脈瘤、消化器や尿路の病気が疑われるサインがある場合は、すぐに受診してください。そのほかのサインがある場合も、翌日には受診しましょう。

ぎっくり腰の治し方①:起きた直後の対処とやってはいけないこと

ぎっくり腰が起きた直後は、まず重い物を持ち上げる、腰をかがめるなど、背骨に負担がかかって痛みを強める動作を避けることから始めます。

  • 安静にしすぎない:ベッドで安静にしても痛みが早く治るわけではなく、多くの専門家は軽い運動を続けるようすすめています。激しい痛みでどうしても必要な場合も、ベッドでの安静は1〜2日にとどめます。
  • 長く寝たきりにならない:長期間ベッドで安静にしていると、体幹の筋肉が弱り、こわばりが強くなって、かえって腰痛が悪化し、回復が遅れます。
  • コルセットや牽引に頼らない:コルセットと牽引は役に立たないとされています。

寝るときは、硬さが中くらいのマットレスで楽な姿勢をとります。あお向けで寝る場合は膝の下に枕を置くと楽になります。

ぎっくり腰の治し方②:冷やす・温める・痛み止め

  • 冷やす:けがをしてから最初の2日間は、温めるより冷やす方が適しています。氷のうはビニール袋などに入れ、タオルの上から20分ほど当てます。外してから60〜90分たったら、また20分当てる、という方法をくり返します。氷を直接肌に当てないようにしましょう。
  • 温める:その後は、温めることが助けになる場合もあります。
  • 痛み止め:炎症がない限り、痛みの緩和にはアセトアミノフェンが一般にすすめられ、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)も痛みと炎症を和らげます。
  • 強い痛み止め:それでも痛みが十分に和らがない場合はオピオイド鎮痛薬が処方されることがありますが、長く使うと痛みに敏感になる、眠気や便秘、依存などのおそれがあるため、短期間に限ります。

痛みが落ち着いてきたら、医師や理学療法士がすすめる軽い運動を始めると、回復を早めることができます。

ぎっくり腰はどのくらいで治るか

腰痛の多くは、筋肉や靭帯の軽いけがや、関節の変化などによるもので、ほとんどは数日から2週間ほどで和らぎます。治療法にかかわらず、腰痛の症状の80〜90%は6週間以内に消えるとされています。

そのため、危険なサインがなければ、通常は画像検査などの検査は必要ありません。痛みがひどくなく、ほかに危険なサインもないまま6週間以上続く場合は、時期を見て受診しましょう。

腰痛が慢性化したり再発したりするのを防ぐために、背筋や腹筋を鍛える運動が役立ちます。必要に応じて、理学療法士による治療を受けることもできます。

公園の小道を散歩する人
痛みが落ち着いてきたら、軽い運動を少しずつ始めます。AIで作成したイラストです。

ぎっくり腰の再発を防ぐ運動・姿勢・持ち上げ方

腰痛を予防する最も効果的な方法は、定期的に運動することです。有酸素運動、筋力を強化する運動、ストレッチが役立ちます。

  • 骨盤を傾ける運動:あお向けで膝を曲げ、腰を床に押しつけながらお尻と腹筋を締め、10数えます。
  • 腹筋運動:あお向けで膝を曲げ、あごを引いたまま腹筋を締めて、肩をゆっくり少し持ち上げます。
  • 膝を胸に引き寄せるストレッチ:あお向けで片膝を両手で胸の方へ引き寄せ、10数えます。ストレッチで腰痛が悪化する人もいるため、注意して行います。
  • 体重の管理:健康的な体重を保ちます。
  • 姿勢:前かがみの姿勢を避け、椅子は足の裏全体が床につき、腰が背もたれにつく高さに調節します。
  • 持ち上げ方:体をひねらず、股関節の向きを肩とそろえ、膝を曲げて物に近づいてから持ち上げます。

運動は痛みが治まってから始め、痛みが強まる場合は中止しましょう。

リハビリ室で理学療法士に見守られながら椅子からの立ち上がりを練習する人
再発予防には、腹筋や背筋など体幹の筋肉を鍛える運動が役立ちます。AIで作成したイラストです。

出典によって異なる点:アセトアミノフェンはぎっくり腰に効くか

MSDマニュアル家庭版は、炎症がない限り、腰痛の痛みを和らげるためにアセトアミノフェンが一般にすすめられるとしています。

コクランのシステマティックレビュー(Saragiottoら、2016年)は、腰痛に対するアセトアミノフェンのランダム化試験3件(1,825人)をまとめました。急性の腰痛では、1日4gのアセトアミノフェンと偽薬のあいだで、1週、2週、4週、12週のいずれの時点でも痛みに差はなく、生活の質、体の機能、回復の実感、睡眠にも効果がみられませんでした。これは質の高い根拠と評価されています。

広くすすめられている痛み止めでも、急性の腰痛では偽薬と効果が変わらないという研究結果がある、という違いがあります。痛み止めの選び方は、持病や飲んでいる薬もふまえて、医師や薬剤師に相談してください。

ぎっくり腰のポイント

  • ぎっくり腰は、急に起こった強い腰の痛みを指す一般的な呼び名で、病名ではありません。
  • 多くは関節や椎間板、筋肉や靭帯のけがによるもので、80〜90%は6週間以内に治まります。
  • 脚のしびれや力が入らない、尿や便の異常、発熱、夜も続く強い痛みなどがあれば、すぐに受診してください。
  • ベッドでの安静は長くても1〜2日にとどめ、痛みを強める動作を避けながら、できる範囲で動きます。
  • 最初の2日間は冷やすのが適していて、その後は温めることが助けになる場合もあります。
  • 再発予防には、定期的な運動、体重管理、よい姿勢、正しい持ち上げ方が役立ちます。

ぎっくり腰についてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

ぎっくり腰は何日で治りますか?

多くは数日から2週間ほどで和らぎ、治療法にかかわらず腰痛の症状の80〜90%は6週間以内に消えるとされています。

ぎっくり腰のとき、やってはいけないことは?

重い物を持ち上げる、腰をかがめるなど痛みを強める動作は避けます。一方で、長くベッドで安静にしすぎると回復が遅れるため、安静は1〜2日にとどめ、できる範囲で動くことがすすめられています。

冷やすのと温めるのはどちらがよいですか?

けがをしてから最初の2日間は、温めるより冷やす方が適しています。氷のうはタオルの上から20分ほど当て、直接肌に当てないようにします。その後は、温めることが助けになる場合もあります。

コルセットはつけた方がよいですか?

コルセットや牽引は、腰痛の治療として役に立たないとされています。

病院に行くべきなのはどんなときですか?

脚のしびれや力が入らない、尿が出ない・尿や便がもれる、発熱、がんの治療歴、夜間のひどい痛み、腹痛や胸の痛みなどがある場合は、すぐに受診してください。ふだんと違う強い腰痛のときも、整形外科で診断を受けましょう。

再発を防ぐにはどうすればよいですか?

定期的な有酸素運動、腹筋や背筋を鍛える運動、ストレッチ、健康的な体重の維持、よい姿勢、体をひねらず膝を曲げて持ち上げることが役立ちます。

出典

  1. 日本整形外科学会 · 症状・病気をしらべる「ぎっくり腰」
  2. MSDマニュアル家庭版 · 腰痛
  3. Saragiotto BT, et al. Paracetamol for low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2016

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。