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首と肩の痛み MediBilbao Salud

首の痛みの原因と対処法:危険なサインと運動

首の痛みは、腰痛と並んで受診理由としてとても多い症状です。多くは筋肉や靭帯の問題で、自然に治ります。ただし、腕のしびれや力の入りにくさを伴う場合や、まれに心臓などの病気が隠れていることもあります。原因、受診の目安、対処法と運動を整理します。

テーマ
理学療法
更新日
読了時間
6分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757
ベッドに座り首の後ろを押さえる女性
首の痛みの多くは、筋肉や靭帯の問題で起こります。AIで作成したイラストです。

首の痛みはなぜ起こりやすい?

首の痛みの多くは、首の骨(頸椎)や、それを支える筋肉、靭帯などから生じます。首はよく動く分、すり減りやすく、むち打ちのように首が大きく反るけがも起こりやすい場所です。

首には頭を支えるという大切な役割があり、姿勢が悪いと頭を支える負担が大きくなります。首の痛みは年齢とともに多くなります。

頸椎は7個の骨(椎骨)でできており、骨と骨の間にはクッションの役割をする椎間板があります。頸椎の中を脊髄が通り、骨の間から神経が出て腕などへ向かいます。

首の痛みのよくある原因

  • 筋肉のけいれん:よくみられ、けがのあとや、軽いけがでも起こります。痛みとこわばりで、頭を左右に回しにくくなります。
  • 筋肉や靭帯の損傷(ねんざ・挫傷):物を持ち上げる、運動する、思わぬ方向に体が動くなどの日常動作や、転倒・交通事故で起こります。動かすと痛み、休むと和らぎます。
  • 変形性関節症:動かすと痛みが強くなります。
  • 頸椎症・頸部脊柱管狭窄症:骨や椎間板の変性で神経が締め付けられたり、脊髄が圧迫されたりします。
  • 椎間板ヘルニア:椎間板の中身が飛び出し、近くの神経を圧迫します。

線維筋痛症のように、首以外も含め体の広い範囲に痛みが出る病気もあります。

腕のしびれを伴う首の痛み

首の骨や椎間板の変化で神経の根元(神経根)が圧迫されると、腕に痛みが広がり、ときに力が入りにくくなったり、しびれやピリピリ感が出たりします。腕に広がる首の痛みは、多くの場合、椎間板ヘルニア、頸部脊柱管狭窄症、頸椎症によるものです。

脊髄そのものが圧迫されると、両腕や両脚のしびれや力の入りにくさ、まれに尿や便のコントロールができなくなることがあります。

まれでも重い原因

  • 首の動脈の内側の裂け目(解離):頭や首、顔の痛みが続き、バランスの喪失、片側の手足の力の低下、話しにくさなどの神経の症状を伴います。
  • 脊椎の腫瘍や感染症:姿勢や動きに関係なく、夜もだんだんひどくなる痛みで、寝汗や発熱、体重減少を伴うことがあります。
  • 髄膜炎:激しい頭痛や発熱を伴い、首を前に曲げると痛みが強くなります。
  • 心臓発作や狭心症:胸の痛みとともに首や腕に痛みが広がることがあり、突然の汗や息苦しさを伴います。

受診のタイミング

  • すぐに受診:腕や脚の力が入らない・感覚が鈍い、意識がぼんやりする、胸の不快感、突然の汗や息苦しさ、運動で痛みが出る・悪化する、飲み込みにくい・飲み込むと痛む
  • 翌日くらいまでに受診:危険なサインはないが、痛みがひどい(特に市販の鎮痛薬で治まらない)
  • 様子をみてよい:それ以外の場合は、数日様子をみるか、主治医に電話で相談します

首の前側だけ、または片側だけの痛みが脊髄の問題で起こることは、通常はありません。

首の痛みの検査

首の痛みの多くは筋肉のけいれんや挫傷によるもので、診察で診断できるため、検査が不要なことがよくあります。診察では、筋力、反射、感覚などを調べ、神経の圧迫のサインがないかを確認します。

  • MRI検査・CT検査:力の入りにくさやしびれなど神経の症状がある場合に行います。椎間板や神経はMRIのほうが鮮明に写ります。
  • X線検査:関節炎など骨の異常が疑われる場合に、最初に行うことがあります。
  • 筋電図検査・神経伝導検査:神経の圧迫や、しびれの別の原因を調べます。
診察室で女性の首の動きを確認する理学療法士
診察では、筋力や感覚を調べ、神経の圧迫のサインがないかを確認します。AIで作成したイラストです。

首の痛みの対処法

  • 痛み止め:多くの場合、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬などの市販の鎮痛薬で十分です。
  • 温める・冷やす:助けになることがあります。
  • 痛みを悪化させる行動を避ける:特にパソコンやスマートフォンを使いながら長時間座り続けることは避けます。
  • 姿勢:立つ、座る、寝るなどあらゆる場面で、よい姿勢と体の正しい使い方を心がけます。
  • 無理のない運動:耐えられる範囲の軽い運動を行います。

強い鎮痛薬は長く使うと副作用や依存のリスクがあるため、処方された場合も短期間にとどめます。筋肉をゆるめる薬は、高齢者では副作用が起こりやすく、すすめられません。

首に負担をかけない寝方と運動

  • 横向きで寝る人:枕で頭を支え、頭と首がまっすぐになるようにします(ベッド側にも天井側にも傾かないように)。
  • あお向けで寝る人:枕で首と頭が高くなりすぎないように支えます。
  • うつ伏せ:避けるべきです。
  • 運動:医師や理学療法士が、ストレッチや、背中の上部を鍛えるなどの筋力強化運動をすすめることがあります。

首を固定して痛みを和らげるために、首の装具(頸椎カラー)を使うこともあります。

枕に頭をのせて横向きに眠る女性
横向きで寝るときは、頭と首がまっすぐになるよう枕を調整します。AIで作成したイラストです。

出典によって異なる点:どんな運動が役立つか

MSDマニュアル家庭版は、耐えられる範囲の軽い運動や、医師・理学療法士がすすめるストレッチと筋力強化運動を対策の一つとして挙げていますが、運動の種類ごとの効果は示していません。

コクランのシステマティックレビュー(Grossら、2015年)は、27件の試験(2,485人を解析)をまとめました。急性の首の痛みについては、運動の効果を示す根拠は見つかりませんでした。一方、慢性の首の痛みでは、首・肩甲骨まわり・腕の筋力トレーニングで痛みが中等度から大きく改善し、首・肩・肩甲骨まわりの筋力強化とストレッチの組み合わせでも痛みと機能が改善しました。呼吸の運動、一般的な体力づくり、ストレッチだけでは、痛みや機能が変わらない可能性があるとしています。

つまり、慢性の首の痛みには、ストレッチだけでなく、首から肩、腕にかけての筋力強化を組み合わせた運動が役立つと考えられます。

首の痛みのポイント

  • 首の痛みの多くは、ねんざや筋肉のけいれんによるもので、完全に治ります。
  • 腕に広がる痛みやしびれは、椎間板ヘルニアや頸椎症などによる神経の圧迫が原因のことがあります。
  • 力が入らない、胸の不快感、息苦しさ、飲み込みにくさなどがあれば、すぐに受診してください。
  • 市販の鎮痛薬、温めたり冷やしたりすること、長時間座り続けないことが役立ちます。
  • 寝るときは頭と首がまっすぐになるよう枕を調整し、うつ伏せは避けます。
  • 慢性の首の痛みには、首から肩、腕の筋力強化運動が役立ちます。

首の痛みについてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

首の痛みで多い原因は何ですか?

筋肉のけいれんや、筋肉・靭帯の損傷(ねんざ・挫傷)が多く、多くは完全に治ります。変形性関節症や椎間板ヘルニアなども原因になります。

どんなときにすぐ受診すべきですか?

腕や脚の力が入らない、感覚が鈍い、胸の不快感、突然の汗や息苦しさ、意識がぼんやりする、飲み込みにくいといった場合です。

検査は必要ですか?

多くは診察で診断でき、検査は不要です。しびれや力の入りにくさなど神経の症状がある場合は、MRIなどの検査を行います。

首が痛いとき、どんな枕がよいですか?

横向きなら頭と首がまっすぐになる高さ、あお向けなら首と頭が高くなりすぎない高さに調整します。うつ伏せは避けましょう。

首の痛みに運動は効きますか?

慢性の首の痛みでは、首から肩、腕の筋力強化運動や、筋力強化とストレッチの組み合わせで痛みが改善したと報告されています。

手術が必要になることはありますか?

椎間板ヘルニアなどで神経や脊髄が圧迫され、重い筋力低下や痛みがある場合に検討されます。ただし、手術以外の治療と成功率は同程度とされています。

出典

  1. MSDマニュアル家庭版 · 首の痛み
  2. Gross A, et al. Exercises for mechanical neck disorders. Cochrane Database Syst Rev. 2015

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。