半月板とは?
半月板は、膝の関節で太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間にある、三日月の形をした軟骨の板です。内側と外側に1つずつあります。
膝にかかる衝撃をやわらげるクッションの役割と、関節を安定させる役割をもっています。

半月板損傷の原因
- 膝のひねり:体重がかかった状態で膝をひねると、半月板が傷つきます。
- スポーツの動き:ジャンプの着地や方向転換でのひねり、ボールを蹴る動作などで起こります。
- ほかのけがとの合併:膝の安定に重要な靱帯のけがと同時に起こることもあります。
片方の足に体重をかけた状態で、その側の膝をひねったときに起こりやすいのが特徴です。くり返しの動作で傷つくこともあります。
中高年では、スポーツのけがとは別に、年齢による変化(変性)で半月板が傷んでいることもあります(「出典によって異なる点」を参照)。
半月板損傷の症状
- 痛み:膝の曲げ伸ばしで痛みが出ます。
- 引っかかり感:膝を動かしたときに引っかかるような感じがします。
- 腫れと水がたまる:膝が腫れ、関節に水がたまることがあります。
- こわばり・不安定さ:膝が硬くなったり、かくっと膝折れしそうな不安定さを感じたりします。
- ロッキング:傷ついた半月板が関節にはさまり、膝が急に動かなくなることがあります。
半月板の断裂の種類
半月板の断裂には、裂け方によっていくつかの種類があります。
- 縦断裂:半月板の長い方向に沿って裂けます。
- バケツ柄断裂:縦の裂け目が大きくなり、内側の部分がバケツの持ち手のようにずれます。ロッキングの原因になります。
- 水平断裂:半月板が上下に分かれるように裂けます。
断裂の種類と場所は、治療法を選ぶうえで大切な情報になります。
半月板損傷の検査
- 診察:膝の痛む場所や動き、腫れを確認し、痛みが出る動きを試す検査(疼痛誘発検査)と画像検査を組み合わせて診断します。
- X線検査:骨折がないかを確認します。膝の特定の場所に強い痛みがある、膝を曲げられない、痛くて体重をかけられない、55歳以上といった場合は、骨折の可能性が高まります。半月板そのものはX線には写りません。
- MRI検査:損傷の場所や形を明らかにできます。重い損傷が疑われる場合や、PRICEを数週間行っても症状が消えない場合に行います。
まずは安静とリハビリ
多くの場合、まず手術以外の方法(保存療法)で治療します。
- PRICE:保護(Protection)、安静(Rest)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)で、痛みと腫れを抑えます。
- 装具と松葉づえ:膝を守り、体重をかけすぎないようにします。
- 膝を強化する運動:軽度から中等度の損傷では、膝を強化する運動がすすめられます。
膝に多量の液体がたまっている場合は、それを抜いて痛みを和らげることもあります。重い損傷では、手術の後に強化運動を始めます。

手術が検討される場合
リハビリや薬で症状が良くならない場合や、重い損傷では、関節鏡を使った手術が検討されます。
- 半月板切除術:傷ついた部分だけを切り取ります。
- 半月板縫合術:裂けた部分を糸で縫い合わせて治します。
関節鏡手術は、小さな切開部から細い管状の器具を入れて行います。
半月板のふちは血流があるため縫合で治りやすい一方、中心部は血流が乏しいため、切除することが多くなります。
スポーツ復帰の目安
- 切除術の後:スポーツ復帰まで2〜3カ月が目安です。
- 縫合術の後:縫った部分が治るまで時間がかかるため、復帰まで4〜6カ月が目安です。
復帰に必要な期間は、スポーツのレベルや種目によっても異なります。主治医とよく相談したうえで、復帰の時期を決めることが大切です。
出典によって異なる点:年齢による損傷に手術は必要か
MSDマニュアル家庭版と日本スポーツ整形外科学会は、リハビリなどで良くならない場合や重い損傷では、関節鏡による手術を検討するとしています。
一方、フィンランドの臨床試験(Sihvonenら、2013年)は、変形性膝関節症のない35〜65歳の146人を対象に、年齢による内側半月板の損傷に対する関節鏡での部分切除術と、切除を行わない「見せかけの手術」を比べました。手術から12カ月後の膝の症状の改善に、2つのグループの差はみられませんでした。
スポーツなどのけがによる損傷と、年齢による損傷とでは、手術の効果が異なる可能性があります。手術を検討する場合は、損傷の種類を踏まえて整形外科で相談しましょう。
半月板損傷のポイント
- 半月板は、膝のクッションと安定の役割をもつ三日月形の軟骨です。
- 体重がかかった状態でのひねりやキック動作で損傷し、靱帯のけがと合併することもあります。
- 痛み、引っかかり感、腫れ、ロッキングが主な症状です。
- 半月板はX線に写らないため、MRI検査で確認します。
- まずはPRICEと膝を強化する運動で治療し、良くならなければ手術を検討します。
- スポーツ復帰の目安は、切除術で2〜3カ月、縫合術で4〜6カ月です。
半月板損傷についてよくある質問
回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。
半月板損傷はどうして起こるのですか?
体重がかかった状態で膝をひねると起こります。スポーツでのジャンプの着地や方向転換、ボールを蹴る動作などが代表的です。
半月板損傷ではどんな症状が出ますか?
膝の曲げ伸ばしでの痛み、引っかかり感、腫れ、こわばり、膝くずれ、膝が急に動かなくなるロッキングなどが出ます。
半月板損傷はレントゲンでわかりますか?
半月板はX線(レントゲン)には写りません。X線は骨折がないかを確認するために行い、半月板の損傷はMRI検査で確認します。
半月板損傷は手術しないと治りませんか?
多くの場合、まずは安静、アイシング、装具、膝を強化する運動などの保存療法を行います。良くならない場合や重い損傷で手術が検討されます。
半月板の手術にはどんな方法がありますか?
関節鏡を使い、傷ついた部分を切り取る切除術と、縫い合わせる縫合術があります。血流のあるふちの部分は縫合、中心部は切除が多くなります。
スポーツにはいつ復帰できますか?
目安は、切除術の後で2〜3カ月、縫合術の後で4〜6カ月です。回復の様子を見ながら医師と相談して決めます。
出典
- MSDマニュアル家庭版 · 膝のねんざおよび関連する損傷
- 日本スポーツ整形外科学会 · 半月板損傷
- Sihvonen R, et al. Arthroscopic partial meniscectomy versus sham surgery for a degenerative meniscal tear. N Engl J Med. 2013
このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。

