足首の捻挫とは?
足首の捻挫は、足首を正しい位置に保つ靱帯が、限界以上に伸ばされて断裂した状態です。
多くは、平らでない地面を歩いたり走ったりしているときに、足を内側にひねって起こります。石を踏んだり、歩道の縁石を踏み外したりしたときが典型的で、足首の外側の靱帯が傷つきます。それより少ないものの、足を外側にひねって捻挫することもあります。
捻挫しやすくなる条件
- 以前の捻挫で足首の関節がゆるくなっている
- 脚の筋肉が弱い、または脚の神経が傷ついている
- かかとにスパイクのついた靴を履いている
足を外側にひねった場合は、靱帯が骨の小さなかけらを引きはがす剥離骨折や、すねの2本の骨をつなぐ靱帯の断裂(足首の高い位置の捻挫)、腓骨の骨折などが起こることもあります。
捻挫の重症度と治るまでの期間
- 1度(軽度):靱帯が伸びて、顕微鏡でしかわからない小さな裂け目があります。腫れは少ないものの、もろくなっていて再びけがをしやすい状態です。数時間から数日で回復します。
- 2度(中等度):靱帯が部分的に断裂しています。腫れやあざが出て、歩くと痛み、歩きにくくなります。数日から数週間で治ります。
- 3度(重度):靱帯が完全に断裂しています。足首全体が腫れてあざができ、不安定で体重をかけられません。治るまでに6〜8週間かかります。
足首の捻挫のほとんどは軽度です。
捻挫の症状と注意点
けがをした靱帯のまわりに痛みと腫れが出ます。足首のまわりの筋肉がけいれんすることもあります。
神経も傷つくと、目で見なくても足や足首の位置がわかる感覚(固有感覚)に問題が出ることがあります。重い捻挫では、足首の骨の端の軟骨が欠けていることがあり、長く続く痛みや腫れ、関節の引っかかり、がくっと力が抜ける感じの原因になります。
重い捻挫で、完全に治るのを待たずに普段の活動を再開すると、再びけがをするリスクが高まり、治りも不十分になるおそれがあります。
診察とX線検査
医師は、どのようにけがをしたかを尋ね、足首を優しく触って最も痛む部分を確かめます。靱帯の上が強く痛めば靱帯の断裂、骨の上が痛めば骨折が疑われます。腫れが強い場合は、副子で固定して数日後に改めて調べることもあります。
- X線検査:足首や足の特定の部分が激しく痛む場合や、けがの直後と受診時のどちらでも、補助なしで4歩体重をかけて歩けない場合に、骨折を調べます。すべての捻挫にX線検査が必要なわけではありません。
- MRI検査:PRICEで6週間治療しても痛む場合などに、ほかのけがを調べます。

応急処置と軽い捻挫の治療:PRICE
- 保護(Protection):重症度に応じて、弾性包帯、副子、専用のブーツ、ギプスで足首を支えます。
- 安静(Rest):けがをした足首で歩かないようにし、必要なら松葉杖を使います。
- 冷却(Ice):アイスパックを当てます。
- 圧迫(Compression):弾性包帯やテープを足首と足に巻きます。
- 挙上(Elevation):足首をできるだけ高く保ちます。
痛みには、通常アセトアミノフェンを使います。軽い捻挫のほとんどは特別な治療がなくてもよく治り、サポート性のある靴を履いて注意して足を使えば、すぐに歩行や運動を再開できます。
中等度・重度の捻挫の治療
- 中等度:PRICEで治療し、歩くのが極めて難しい場合は副子やブーツを使います。ほとんどの人は数日以内に歩行と運動を始められます。腫れを抑え、関節の動く範囲を保ち、足首まわりの筋肉を少しずつ強化するために(将来の捻挫の予防にも)、理学療法が必要です。
- 重度:すぐに医師の診察が必要です。治療しないと、足首が不安定になったり痛みが続いたりすることがあります。足首を固定し、多くは専門医に紹介されます。
- 足首の高い位置の捻挫:通常、数週間のギプスが必要です。
リハビリと手術
重い捻挫では、激しい運動を再開する前に、筋肉を強化し、バランスを改善し、足首の動きを取り戻すために理学療法が必要です。理学療法は回復を早めることもあります。
断裂した靱帯を手術で再建するかどうかについては議論があり、多くの専門家は、手術をしても手術をしない場合と結果は変わらないと考えています。

出典によって異なる点:早めに動かすか、再発をどう防ぐか
MSDマニュアル家庭版は、PRICEとアセトアミノフェンを基本とし、中等度以上では理学療法で筋力やバランスを回復させるとしていますが、再発予防の方法ごとの効果は示していません。
46件のシステマティックレビューを整理した研究(Dohertyら、2017年)は、急な捻挫の痛み・腫れ・機能の改善には、非ステロイド性抗炎症薬と早めに動かすことに強い根拠があり、運動療法や徒手療法にも中程度の根拠があるとしました。再発の予防には、サポーター(装具)に強い根拠、神経と筋肉の協調を高めるトレーニングに中程度の根拠がありました。手術や鍼の効果については、結果が一致していませんでした。
つまり、軽い捻挫ではPRICEのあと早めに動かし始め、再発を防ぐためにはサポーターとバランスなどのトレーニングが役立つと考えられます。
足首の捻挫のポイント
- 足首の捻挫は、多くは足を内側にひねって外側の靱帯が傷つくけがです。
- 重症度は1度〜3度に分かれ、重度では治るまでに6〜8週間かかります。
- 激しい痛みや、4歩も体重をかけて歩けない場合は、骨折を調べるため受診します。
- 軽い捻挫はPRICEで治療し、サポート性のある靴で早めに歩行を再開できます。
- 中等度以上では、理学療法で筋力・バランス・動きを回復させます。
- 再発予防には、サポーターとバランスなどのトレーニングが役立ちます。
足首の捻挫についてよくある質問
回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。
捻挫したらまず何をすればよいですか?
保護・安静・冷却・圧迫・挙上(PRICE)を行います。痛みには通常アセトアミノフェンを使います。
病院に行くべきなのはどんなときですか?
足首や足の特定の部分が激しく痛む、補助なしで4歩も歩けない、足首が不安定で体重を支えられない場合は受診してください。
X線検査は必ず必要ですか?
いいえ。すべての捻挫に必要なわけではなく、骨折が疑われる場合に行います。
治るまでどのくらいかかりますか?
軽度は数時間から数日、中等度は数日から数週間、重度は6〜8週間が目安です。
捻挫は手術が必要ですか?
重い捻挫でも、手術をするかどうかには議論があり、多くの専門家は手術をしない場合と結果は変わらないと考えています。
捻挫をくり返さないためには?
理学療法で足首まわりの筋肉とバランスを鍛えます。研究では、サポーターとバランスなどのトレーニングが再発予防に役立つとされています。
出典
- MSDマニュアル家庭版 · 足首のねんざ
- Doherty C, et al. Treatment and prevention of acute and recurrent ankle sprain: an overview of systematic reviews with meta-analysis. Br J Sports Med. 2017
このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。

