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糖尿病と食事 MediBilbao Salud

インスリン抵抗性とは:仕組みと改善のための運動・食事

インスリン抵抗性は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが効きにくくなった状態です。おなかの内臓脂肪や運動不足と関係し、2型糖尿病につながります。インスリンの働き、運動で改善する仕組み、運動と食事の目安を整理します。

テーマ
栄養
更新日
読了時間
5分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757
診察室で医師の説明を聞く女性
インスリン抵抗性は、運動と食事で改善をめざします。AIで作成したイラストです。

インスリンの働き

インスリンは、膵臓のランゲルハンス島(膵島)にあるβ細胞から分泌されるホルモンです。

食後に血糖値が上がると、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンが細胞の受容体に結合すると、細胞は血液中のブドウ糖を取り込み、エネルギー源として使います。余ったブドウ糖は、インスリンの働きでグリコーゲンなどとして蓄えられます。このようにして血糖値が下がります。血糖値を下げる働きをするホルモンは、インスリンだけです。

インスリン抵抗性とは?

インスリン抵抗性とは、インスリンの働きが妨げられ、インスリンが効きにくくなった状態です。インスリンの効きやすさは「インスリン感受性」とも呼ばれ、インスリン抵抗性があるときは、この感受性が低くなっています。

インスリンの働きが低下して血糖値が高くなる病気が糖尿病です。高血糖の状態が続くと、糖尿病網膜症、腎症、神経障害といった合併症を引き起こします。

内臓脂肪との関係

脂肪組織からは、アディポサイトカインなど、インスリンの働きを妨げる物質が分泌されます。

有酸素運動をすると、内臓の脂肪細胞が小さくなって肥満が改善し、こうした物質の分泌が少なくなります。その結果、筋肉や肝臓が糖を処理する力がよくなります。

2型糖尿病との関係

「令和元年国民健康・栄養調査」では、糖尿病が強く疑われる人の割合は男性19.7%、女性10.8%でした。男女あわせて約1,900万人にのぼると推計されています。

現在急増している糖尿病は2型糖尿病で、全体の約9割を占めます。主な原因は、食べすぎ、運動不足、ストレスなどの生活習慣です。2型糖尿病で代謝の障害が中等度以下の場合(血糖値250〜300mg/dL程度以下、HbA1c 9.0%未満)は、まず食事療法と運動療法を行います。詳しくは糖尿病のガイドもご覧ください。

運動でインスリン抵抗性が改善する仕組み

運動をすると、使われた筋肉が糖や遊離脂肪酸をよく利用するようになります。その結果、次のような効果が得られます。

  • 血糖コントロールの改善
  • インスリン感受性の増加(インスリンが効きやすくなる)
  • 脂質代謝の改善
  • 血圧の低下、心肺機能の改善

有酸素運動とレジスタンス運動は、どちらか一方だけよりも、組み合わせるほうが効果的だと報告されています。

運動の目安

  • 有酸素運動:速歩、ジョギング、水泳など大きな筋肉を使う全身運動を、中くらいの強さ(「ややきつい」程度)で週150分以上、週3回以上、1回20分以上行います。
  • 間隔:運動による糖代謝の改善は12〜72時間続くため、運動しない日が2日以上続かないようにします。
  • 歩く場合:1回15〜30分を1日2回、1日約10,000歩が適当とされています。
  • レジスタンス運動:腹筋、ダンベル、腕立て伏せ、スクワットなどを、連続しない日に週2〜3回行います。
  • タイミング:いつでもかまいませんが、特に食後1時間ごろに行うと食後の血糖の状態が改善します。

運動を始めるときの注意点

  • まずメディカルチェックを受け、運動してよいかを確認します。
  • 運動の前後に5分ほど準備運動と整理運動を行います。
  • 空腹時血糖が250mg/dL以上、または尿ケトン体が陽性の人は、運動で状態が悪くなることがあるため注意します。
  • インスリンや飲み薬(特にスルホニル尿素薬)で治療中の人は低血糖になりやすいため、運動量が多いときは補食をとるなどの注意が必要です。
  • 水中運動はひざへの負担が少なく、肥満がある人にも安全で効果的です。高齢の人には、片足立ちなどのバランス運動も役立ちます。

食事で気をつけること

  • 年齢、目標体重、活動量にあわせて、適切な量のエネルギーをとる
  • 主食・主菜・副菜を組み合わせ、栄養のバランスを整える
  • 玄米、大麦、野菜、豆類、きのこ、海藻など食物繊維の多い食品をとる
  • 白米やうどんを、血糖値が上がりにくい(GIの低い)玄米やそばに置き換える
  • 肉や乳製品に多い飽和脂肪酸をとりすぎず、魚に多いn-3系脂肪酸をとる
  • 1日3食を規則正しくとり、まとめ食いを避け、ゆっくり食べる
魚、豆、雑穀、野菜を盛り合わせた皿
食物繊維の多い食品や魚を取り入れた、バランスのよい食事が基本です。AIで作成したイラストです。

出典によって異なる点:特別な食事は必要か

e-ヘルスネットの「糖尿病の食事」は、糖尿病の食事は適量でバランスのよい「健康的な食事」であり、特別な食事が必要なわけではないとしています。肥満がある場合など一部で制限が必要なことはあっても、「より良く食べる」意識を大切にするよう勧めています。

e-ヘルスネットの「糖尿病を改善するための運動」は、運動については頻度、強さ、時間、タイミングまで具体的な数字を示し、運動しない日が2日以上続かないようにするなど、細かな目安を示しています。

つまり、食事は特別なものではなくバランスが基本である一方、運動は目安を意識して続けることが、インスリンの効きをよくするうえで大切だと考えられます。

インスリン抵抗性のポイント

  • インスリン抵抗性は、インスリンが効きにくくなった状態です。
  • 脂肪組織から出る物質が、インスリンの働きを妨げます。
  • 運動で筋肉が糖を使うようになり、インスリン感受性がよくなります。
  • 有酸素運動を週150分以上、レジスタンス運動を週2〜3回が目安です。
  • 食事は、適量でバランスのよい健康的な食事が基本です。
  • 薬で治療中の人は、運動による低血糖に注意します。

インスリン抵抗性についてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

インスリン抵抗性とは何ですか?

インスリンの働きが妨げられ、インスリンが効きにくくなった状態です。インスリン感受性が低い状態ともいえます。

インスリンはどんな働きをしますか?

細胞に血液中のブドウ糖を取り込ませ、血糖値を下げます。血糖値を下げるホルモンはインスリンだけです。

内臓脂肪と関係がありますか?

脂肪組織からはインスリンの働きを妨げる物質が分泌されます。有酸素運動で内臓の脂肪細胞が小さくなると、その分泌が少なくなります。

どのくらい運動すればよいですか?

中くらいの強さの有酸素運動を週150分以上、週3回以上行い、連続しない日に週2〜3回のレジスタンス運動を組み合わせるのが目安です。

食後に運動するとよいのですか?

いつ行ってもかまいませんが、特に食後1時間ごろに行うと、食後の血糖の状態が改善します。

特別な食事が必要ですか?

特別な食事が必要なわけではありません。適量でバランスのよい健康的な食事が基本です。

出典

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット · インスリン抵抗性(キーワード)
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット · インスリン
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット · 糖尿病を改善するための運動
  4. 厚生労働省 e-ヘルスネット · 糖尿病の食事

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。