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鼻と副鼻腔の病気 MediBilbao Salud

副鼻腔炎(蓄膿症)とは?症状・原因・治し方

副鼻腔炎は、鼻のまわりの骨の中にある空洞(副鼻腔)に炎症が起きた状態で、以前は「蓄膿症」とも呼ばれていました。多くはかぜなどのウイルス感染、細菌感染、アレルギーがきっかけです。鼻づまり、黄色や緑色の鼻水、顔や額の痛み、頭痛などが代表的な症状です。急性と慢性の違い、原因、症状、受診の目安、検査、治し方を整理します。

テーマ
耳鼻咽喉科
更新日
読了時間
9分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757
ソファに座り、鼻の横に手を当てて顔をしかめる人
副鼻腔炎では、鼻づまりや顔の痛みがよくみられます。AIで作成したイラストです。

副鼻腔炎(蓄膿症)とは?

鼻のまわりの骨の中には、副鼻腔と呼ばれる左右対になった空洞があります。両目のまゆのすぐ上にある前頭洞、両頬の骨の中にある上顎洞、鼻の両わきに集まる篩骨洞、そしてその奥にある蝶形骨洞の4種類です。この空洞に炎症が起きた状態が副鼻腔炎で、ほぼ必ず鼻の中(鼻腔)の炎症も伴うことから「鼻副鼻腔炎」とも呼ばれます。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、副鼻腔炎は以前「蓄膿症(ちくのうしょう)」とも呼ばれていました。同学会は、においのあるドロッとした鼻水が出る症状について、一昔前に蓄膿症と呼ばれていた慢性副鼻腔炎が疑われると説明しています。

副鼻腔炎は最もよくある病気の一つで、短期間で治まる急性副鼻腔炎と、長く続く慢性副鼻腔炎に分けられます。

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の違い

  • 急性副鼻腔炎:4週間以内に完全に治まるものです。免疫が正常な人では、ほとんどがウイルス感染によるものですが、細菌が原因のこともあります。症状が10日以上続く場合は、細菌感染を疑います。
  • 亜急性副鼻腔炎:30〜90日続くものです。
  • 再発性副鼻腔炎:急性副鼻腔炎が1年に4回以上起こるものです。
  • 慢性副鼻腔炎:12週間以上続くものです。世界の人口の約9%が毎年かかっているとされます。

慢性副鼻腔炎の正確な原因はまだはっきりしませんが、炎症を長引かせる要因が関わっていると考えられています。慢性的なアレルギー、鼻茸(鼻ポリープ)、大気汚染物質やたばこの煙などの刺激物、家族に同じ病気の人がいること(遺伝的な素因)などです。細菌やカビ(真菌)の感染が加わると、炎症はさらに強くなります。上の歯の根の膿が、そのすぐ上にある上顎洞に広がって慢性副鼻腔炎になることもあります。

副鼻腔炎の原因:なぜ起こるのか

急性副鼻腔炎の多くは、副鼻腔の出口がふさがれることから始まります。いちばん多いきっかけは、かぜなど上気道のウイルス感染です。かぜをひくと鼻の粘膜が腫れ、副鼻腔の出口が詰まりやすくなります。

出口が詰まると、副鼻腔の中の空気が血液に吸収されて内部の圧力が下がり、痛みが出るとともに、まわりから液体がしみ出してきます。この液体は細菌が増えやすい環境になり、細菌と戦うために白血球などがさらに集まるため、圧力が高まって痛みが強くなります。

  • かぜなどのウイルス感染
  • アレルギーによる鼻の粘膜の腫れ
  • 鼻の左右を仕切る壁が曲がっている(鼻中隔弯曲症)
  • 慢性的なアレルギー、鼻茸、たばこの煙や大気汚染(慢性の場合)
  • 上の歯の根の膿(上顎洞の慢性副鼻腔炎の場合)

副鼻腔炎の症状

急性と慢性で、現れる症状はよく似ています。代表的なものは次のとおりです。

  • 鼻から黄色や緑色の膿のような鼻水が出る
  • 鼻づまり
  • 頭痛、顔が押されるような感じや痛み
  • 炎症のある副鼻腔の上を押すと痛む、腫れる
  • においがわかりにくい
  • 口臭
  • たんのからむせき(とくに夜間)

どの副鼻腔に炎症があるかで、痛む場所が変わることがあります。上顎洞なら目のすぐ下の頬や歯、前頭洞なら額、篩骨洞なら目の奥や両目のあいだが痛み、涙目や「頭が割れるような」額の痛みを伴うことがあります。蝶形骨洞の場合は、頭の前や後ろが痛むものの、場所をはっきり特定しにくいのが特徴です。

全身のだるさを感じることもあります。急性副鼻腔炎の方が痛みは強い傾向があり、横になったり前かがみになったりすると頭や顔の痛みが増すことがあります。発熱や寒気がある場合は、感染が副鼻腔の外に広がっている可能性があります。

ティッシュを手に、目を閉じて鼻の付け根を押さえる人
炎症のある副鼻腔によって、額、目の奥、頬などに痛みが出ます。AIで作成したイラストです。

合併症と、すぐに受診すべきサイン

副鼻腔炎で最も注意したいのは、細菌の感染がまわりに広がることです。目のまわりの組織に広がると、目の周囲が腫れたり、見え方が変わったりします。まれに目そのものに広がって痛みや視力の障害を起こしたり、脳を包む膜に広がって髄膜炎を起こし、激しい頭痛や意識の混乱が現れたりします。

  • 目のまわりが腫れる、目が赤くなる、目が飛び出したように見える
  • 見え方が変わる、目が痛む
  • 激しい頭痛、意識がぼんやりする、混乱する
  • 39℃以上の熱や強い痛みが3日以上続く
  • 症状が10日以上よくならない

上の3つのような症状がある場合は、できるだけ早く受診してください。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、鼻づまり、粘り気のある鼻水、頭の重さ、においがわからないといった症状が続く場合は、耳鼻咽喉科の受診をすすめています。

副鼻腔炎の検査と診断

多くの場合、典型的な症状から副鼻腔炎と判断できます。次のような検査は、必要に応じて行われます。

  • CT検査:炎症の広がりや重さがわかります。主に、目の充血や眼球の突出など合併症が疑われるときや、慢性副鼻腔炎のときに行います。
  • 鼻の内視鏡検査:細い内視鏡を鼻から入れて副鼻腔の出口を観察し、培養のために分泌物を採ることがあります。局所麻酔をして外来で行えます。
  • 歯のX線検査:上顎洞の炎症で、歯の根の膿が原因になっていないかを調べます。
  • アレルギーや免疫の検査:くり返す場合は、花粉やペットのフケ、ダニなどへのアレルギーを血液検査や皮膚テストで調べます。抗菌薬で治らない場合は、免疫の働きを調べることもあります。

子どもでは、ドロッとした鼻水が10日以上続き、強い疲れやせきがある場合に副鼻腔炎を疑います。熱が出ることはまれです。CT検査は放射線の影響を考え、抗菌薬で治らない慢性副鼻腔炎や合併症が疑われる場合に限って行われるのが一般的です。

診察室で医師に顔の痛みを説明する人
多くは症状から診断され、必要に応じてCT検査や内視鏡検査を行います。AIで作成したイラストです。

副鼻腔炎の治し方:セルフケアと薬

急性副鼻腔炎の治療では、副鼻腔にたまった分泌物を出しやすくすることと、感染を治すことを目指します。自宅でできる工夫と、よく使われる薬は次のとおりです。

  • 温める・蒸気を吸う:湯気を吸い込む、温かく湿らせたタオルを痛む場所に当てる、温かい飲みものを飲むといった方法で、粘膜の腫れが引いて分泌物が出やすくなることがあります。
  • 鼻洗浄:生理食塩水で鼻を洗い流したり、食塩水のスプレーを使ったりすると症状が和らぎます。
  • 血管収縮薬の点鼻薬:フェニレフリンやオキシメタゾリンなどの点鼻薬は粘膜の腫れを引かせますが、3日を超えて続けるとかえって鼻づまりが悪化することがあるため、短期間にとどめます。同じ作用の飲み薬は効果が劣るため、すすめられていません。
  • ステロイドの点鼻薬:症状の緩和に役立ちますが、効果が出るまで少なくとも15日かかります。
  • 抗ヒスタミン薬:フェキソフェナジン、セチリジン、ロラタジンなど一部の抗ヒスタミン薬が、症状を和らげるのに役立ちます。

抗菌薬・手術が必要な場合と、カビによる副鼻腔炎

39℃以上の熱や強い痛みが3日以上続く重い急性副鼻腔炎や、10日以上続く急性副鼻腔炎には、アモキシシリン・クラブラン酸やドキシサイクリンなどの抗菌薬が使われます。慢性副鼻腔炎でも同じ種類の抗菌薬を、より長く(一般に4〜6週間)使います。

抗菌薬で治らない場合は、手術で副鼻腔の中を洗浄して培養用のサンプルを採ったり、膿の通り道を広げて炎症を引きやすくしたりします。鼻づまりが膿の排出を妨げているときも、手術が必要になることがあります。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、手術は内視鏡を使って行われていると説明しています。

カビ(真菌)による副鼻腔炎もあります。健康な人でアスペルギルスというカビが固まりをつくる「菌球」は、手術でカビを取り除きます。免疫が低下した人に起こる「侵襲性真菌性副鼻腔炎」は急速に広がる重い病気で、手術と抗真菌薬の点滴が必要です。カビへのアレルギー反応で鼻茸ができる「アレルギー性真菌性副鼻腔炎」は、手術に加えてステロイドなどの長期の治療が必要で、再発しやすいのが特徴です。

出典によって異なる点:抗菌薬はいつ必要か

急性副鼻腔炎の抗菌薬:MSDマニュアル家庭版は、重い場合(39℃以上の熱や強い痛みが3日以上)や10日以上続く場合に抗菌薬を使うとしています。一方、コクランのシステマティックレビュー(Lemiengreら、2018年)は、外来の成人を対象にした15件の試験(3,057人)をまとめ、抗菌薬を使わなくても1週間で46%、2週間で64%の人が治っていたと報告しました。抗菌薬で早く治る人は100人あたり5〜11人多いだけで、副作用は抗菌薬の方が多く、合併症のない急性副鼻腔炎には抗菌薬を使う意味はないと結論づけています。ただし、このレビューには子ども、免疫が低下した人、重い副鼻腔炎の人は含まれていません。

慢性副鼻腔炎の薬の使い方:MSDマニュアル家庭版は、急性と同じ種類の抗菌薬を4〜6週間使うと説明しています。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、慢性化した場合の治療として、抗菌薬を通常の半分の量で長く続ける「マクロライド少量長期療法」やネブライザー療法を挙げています。また、近年増えている好酸球性副鼻腔炎は従来の治療が効きにくく、ステロイドを中心とした治療が有効だとしています。

副鼻腔炎のポイント

  • 副鼻腔炎は、鼻のまわりの空洞(副鼻腔)の炎症で、以前は「蓄膿症」とも呼ばれていました。
  • 4週間以内に治まるものを急性、12週間以上続くものを慢性と呼びます。
  • 主な症状は、色のついた鼻水、鼻づまり、顔や額の痛み、頭痛、においの低下です。
  • 目のまわりの腫れ、見え方の変化、激しい頭痛や意識の混乱があれば、急いで受診が必要です。
  • 蒸気の吸入や鼻洗浄、点鼻薬で症状を和らげ、重い場合や長引く場合には抗菌薬が検討されます。
  • 合併症のない急性副鼻腔炎では抗菌薬の利点は小さいという研究結果もあり、使うかどうかは医師と相談して決めます。

副鼻腔炎についてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

副鼻腔炎と蓄膿症は同じですか?

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、副鼻腔炎は以前「蓄膿症」とも呼ばれていました。においのあるドロッとした鼻水が続く慢性副鼻腔炎を指して使われてきた呼び名です。

副鼻腔炎の症状にはどんなものがありますか?

黄色や緑色の鼻水、鼻づまり、頭痛、顔が押されるような痛み、においがわかりにくい、口臭、夜間のたんがからむせきなどです。炎症のある場所によって、頬、歯、額、目の奥などが痛みます。

副鼻腔炎は自然に治りますか?

急性副鼻腔炎の多くはウイルスが原因です。研究のまとめでは、抗菌薬を使わなくても1週間で約半数、2週間で約3分の2の人が治っていました。症状が10日以上続く、重い、目や頭に異常があるといった場合は受診してください。

鼻洗浄は効果がありますか?

生理食塩水で鼻を洗い流したり、食塩水のスプレーを使ったりすると症状が和らぐことがあります。蒸気の吸入や温かいタオルを顔に当てることも、分泌物を出しやすくするのに役立ちます。

市販の点鼻薬を使い続けてもいいですか?

血管収縮薬の点鼻薬は鼻づまりを和らげますが、3日を超えて続けるとかえって鼻づまりが悪化することがあります。短期間にとどめ、長引く場合は医師に相談してください。

慢性副鼻腔炎はどう治療しますか?

抗菌薬を長めに使うほか、日本では抗菌薬を少量で長く続けるマクロライド少量長期療法やネブライザー療法が行われます。それでも治らない場合は、内視鏡を使った手術が検討されます。

出典

  1. MSDマニュアル家庭版 · 副鼻腔炎
  2. 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 · 鼻の病気「副鼻腔炎」
  3. Lemiengre MB, et al. Antibiotics for acute rhinosinusitis in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2018

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。