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認知症 MediBilbao Salud

前頭側頭型認知症の症状(性格・行動・言葉の変化)と診断・ケア

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉や側頭葉が萎縮して起こる認知症です。アルツハイマー病と比べて、もの忘れよりも性格や行動、言葉の変化が目立ちやすく、65歳以下で発症することが多いのが特徴です。症状、診断、ケアのポイントを整理します。

テーマ
言語聴覚療法
更新日
読了時間
5分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757

前頭側頭型認知症とは?

前頭側頭型認知症は、主に前頭葉、ときに側頭葉の組織が変性する病気によって起こる、一群の認知症です。これらの脳の領域は、人格や行動に関わっています。

  • 認知症の約10人に1人が前頭側頭型認知症です。
  • 典型的には65歳以下で発症し、男女差はほとんどありません。
  • 家族内で遺伝する傾向があり、およそ半数が遺伝性です。

アルツハイマー病との違い

前頭側頭型認知症は、アルツハイマー病と比べて、人格、行動、言葉への影響が大きく、記憶への影響は小さい傾向があります。

  • 時間、日付、場所の認識は通常保たれていて、日常生活の動作もできます。
  • 一方で、抽象的に考える、注意を続ける、手順を踏んで物事を進めることが苦手になり、すぐに気が散ります。

性格や行動の変化

  • 遠慮がなくなり、失礼な発言や不適切な行動が増える
  • 衝動的な行動や、同じ行動をくり返す強迫的な行動(毎日同じ場所に歩いて行くなど)
  • 身の回りの衛生に気を配らなくなる
  • 過食や極端な偏食、物を口に入れようとする行動がみられることもある

こうした変化は、家族が最初に気づくことが多い症状です。

言葉の障害

  • 言葉が見つからない、言葉の使用や理解が次第に難しくなる(失語)
  • 物の名前を思い出せない
  • 人の顔が分からなくなることがある
  • 流暢に話しても、内容が意味をなさないことがある

10年以上言葉の障害だけで経過する人もいれば、2〜3年でほかの症状が現れる人もいます。進行すると話さなくなり、人の言ったことをくり返すようになり、最終的にはまったく話さなくなります。

筋肉や飲み込みの問題

筋肉が侵される場合もあり、筋力が低下し、筋肉がやせていきます。頭や首の筋肉に異常が出ると、飲み込む、かむ、話すといった動作が難しくなります。

食べ物を肺に吸い込む(誤嚥する)と、誤嚥性肺炎が起こることがあります。

前頭側頭型認知症の診断

  • 本人や家族、介護する人への質問で症状を確かめます。本人が症状に気づいていないこともあるため、家族の話が重要です。
  • 神経学的な診察と、簡単な質問や課題による精神状態の検査を行います。
  • CTやMRIで脳の損傷の程度を調べ、脳腫瘍や脳卒中などほかの原因を除外します。
  • PET検査は、アルツハイマー病との見分けに役立つ可能性があります。

ただし、CTやMRIでは、かなり進行するまで特徴的な変化が見つからないこともあります。

治療と症状の管理

前頭側頭型認知症に対する特別な治療法はありません。治療は、症状の管理と支援の提供が中心になります。

  • 強迫的な行動が問題になる場合は、薬が使われることがあります。
  • 言葉の問題には、言語療法が役立ちます。

日常生活のケアと介護する人の支え

  • 環境:明るく落ち着いた安全な環境が望ましく、ラジオやテレビなど適度な刺激は役立ちますが、刺激が多すぎないようにします。
  • 日課:物の配置や1日のスケジュール(入浴、食事、睡眠など)を一定にすると、安心感につながります。
  • 活動:体と頭を使う活動を定期的に取り入れ、症状に合わせて細かく分けたり単純にしたりします。
  • 介護する人:支援サービスやカウンセリング、支援グループを利用し、自分自身の健康や趣味も大切にします。
  • 事前の話し合い:判断する力が大きく損なわれる前に、医療や金銭・法律の手続きについて決めておくことが大切です。

出典によって異なる点:診断の手がかり

MSDマニュアル家庭版は、前頭側頭型認知症の診断は、発症の経過も含めた典型的な症状に基づいて行い、CTやMRIでほかの原因を除外するとしています。また、画像検査ではかなり進行するまで特徴的な変化が見つからないことがあるとしています。

国際的な研究グループの診断基準(Rascovskyら、2011年)は、行動の変化が目立つタイプ(行動障害型)について、脱抑制、無気力、共感の低下、こだわりやくり返しの行動、食行動の変化、実行機能の低下という6つの特徴のうち3つ以上で「可能性あり」とする基準を示しました。病理で確認された137例では、新しい基準で86%が「可能性あり」に当てはまり、従来の基準(53%)より見逃しが少なくなりました。基準に当てはまらなかった人は、より高齢で、もの忘れが目立つなど典型的でない経過をたどっていました。

画像だけに頼らず、家族が気づいた行動の変化を具体的に伝えることが、早めの診断につながります。

前頭側頭型認知症のポイント

  • 前頭葉や側頭葉が萎縮して起こる認知症で、65歳以下で発症することが多い病気です。
  • およそ半数が遺伝性とされます。
  • もの忘れより、性格や行動、言葉の変化が目立ちます。
  • 症状と経過から診断し、CTやMRIでほかの原因を除外します。
  • 特別な治療法はなく、症状の管理、言語療法、環境づくりが中心です。
  • 介護する人も支援を受けながら、早めに今後の方針を話し合いましょう。

前頭側頭型認知症についてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

前頭側頭型認知症はどんな病気ですか?

脳の前頭葉や側頭葉が萎縮して起こる認知症で、性格や行動、言葉の変化が目立ちやすい病気です。

アルツハイマー病とは何が違いますか?

アルツハイマー病と比べて、人格・行動・言葉への影響が大きく、記憶への影響は小さい傾向があります。時間や場所の認識も通常保たれます。

何歳くらいで発症しますか?

典型的には65歳以下で発症します。男女差はほとんどありません。

前頭側頭型認知症は遺伝しますか?

家族内で遺伝する傾向があり、およそ半数が遺伝性とされています。

治療法はありますか?

特別な治療法はなく、症状の管理と支援が中心です。言葉の問題には言語療法が役立ち、強迫的な行動には薬が使われることがあります。

家族はどう接すればよいですか?

明るく落ち着いた環境を整え、日課を一定に保つと安心感につながります。介護する人も支援サービスや支援グループを利用しましょう。

出典

  1. MSDマニュアル家庭版 · 前頭側頭型認知症
  2. Rascovsky K, et al. Sensitivity of revised diagnostic criteria for the behavioural variant of frontotemporal dementia. Brain. 2011

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。