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口とのどの病気 MediBilbao Salud

扁桃炎とは?症状・原因・治し方と扁桃周囲膿瘍

扁桃炎は、のどの奥の左右にある扁桃に感染が起こり、赤く腫れて痛む状態です。原因の多くはかぜのウイルスですが、患者の約3分の1は溶連菌(A群レンサ球菌)などの細菌によるものです。とくに子どもに多い病気です。原因、症状、悪化したときに起こる扁桃周囲膿瘍、受診の目安、検査、治し方、扁桃摘出術について整理します。

テーマ
耳鼻咽喉科
更新日
読了時間
9分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757
ソファで本を手に休んでいる人
扁桃炎の多くはウイルスが原因で、休養と水分補給が基本になります。AIで作成したイラストです。

扁桃炎とは?扁桃の役割

扁桃は、のどの奥の左右にある組織で、体を守る免疫の働きをもつリンパ組織でできています。鼻やのどから入ってきた細菌やウイルスが感染を起こすのを食い止める、関所のような役割をしています。

この扁桃やそのまわりののどに感染が起こると、扁桃が赤く腫れて痛みます。扁桃の炎症を扁桃炎、のど(咽頭)の炎症を咽頭炎、両方を合わせて扁桃咽頭炎と呼びます。のどや扁桃の感染症はよくある病気で、とくに子どもに多くみられます。

なお、扁桃を手術で取った人でも、のど(咽頭)の感染症にはかかることがあります。

扁桃炎の原因:ウイルスと細菌

のどの感染症の原因の多くはウイルスで、とくにかぜを起こすウイルス(ライノウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスなど)です。まれに、伝染性単核球症を起こすEBウイルスやHIVなど、ほかのウイルスが原因になることもあります。

患者の約3分の1は細菌によるものです。最も多いのはA群レンサ球菌(いわゆる溶連菌)で、溶連菌による咽頭炎は5〜15歳の子どもによくみられ、3歳未満の子どもや高齢者では多くありません。まれに、淋菌やジフテリアなどの細菌が原因のこともあります。

溶連菌による咽頭炎は、抗菌薬を使わなくても通常は7日以内に治まります。ただし治療しないままにしておくと、ときに合併症が起こります。合併症には、扁桃のまわりの感染や膿のたまり(扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍)、リウマチ熱、腎臓の炎症(糸球体腎炎)などがあります。

扁桃炎の症状

扁桃炎では、物を飲み込むときと、多くは話すときにも、強いのどの痛みがあります。主な症状は次のとおりです。

  • 飲み込むときの強いのどの痛み(耳まで痛むこともある)
  • 扁桃が赤く腫れ、ときに白い斑点がつく
  • 首のリンパ節が腫れ、触ると痛む
  • 発熱、頭痛、胃の不調

かぜのウイルスが原因の場合は、鼻水、鼻づまり、せきを伴うことがよくあります。伝染性単核球症では、強い疲れや多くのリンパ節の腫れがみられ、扁桃が大きく腫れて空気の通り道が狭くなり、呼吸の音が大きくなることがあります。

扁桃炎を何度もくり返す人では、扁桃の表面にある小さなくぼみに、小石のような白いかたまり(扁桃の石)がたまることがあります。ここににおいのもとになる細菌がとどまり、しつこい口臭の原因になったり、扁桃炎を起こしやすくしたりします。

悪化すると起こる扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍

のどに感染した細菌(多くはレンサ球菌やブドウ球菌)が、扁桃のまわりの深い組織まで広がることがあります。これが扁桃周囲炎で、さらに細菌が増えて膿がたまったものを扁桃周囲膿瘍といいます。中高生から若い大人に最も多くみられます。

  • 飲み込むときの激しい痛みが耳まで広がる
  • 強いのどの痛み、だるさ、発熱
  • 痛みを和らげようとして、膿のある側に頭を傾ける
  • あごの筋肉がけいれんして口が開けにくくなる(開口障害)
  • 口の中に熱いジャガイモが入っているような、こもった声
  • よだれ、強い口臭、首のリンパ節の腫れ

扁桃周囲膿瘍では、腫れた扁桃が前に押し出され、のどの奥に垂れ下がる口蓋垂(のどちんこ)が反対側に押されることがあります。膿がのどの横の深いところ(副咽頭間隙)にたまると、首の外側へ腫れが出て、より範囲が広く危険な状態になります。

すぐに受診すべき症状

扁桃炎の多くは自宅で休みながら回復しますが、次のような場合は医療機関を受診してください。とくに上の4つは、扁桃周囲膿瘍や空気の通り道が狭くなるなど、急いで対応が必要な状態のサインのことがあります。

  • 口が開けにくい
  • こもったような声になる、よだれが出る
  • のどの片側だけがひどく痛み、首が腫れている
  • 息がしにくい、呼吸の音が大きい
  • 抗菌薬を飲んでも症状がよくならない
  • 扁桃炎を何度もくり返している

息苦しさが強いなど緊急の場合は、119番(スペインでは112番)に連絡してください。扁桃の手術を受けた後に出血がある場合も、すぐに病院へ行く必要があります。

扁桃炎の検査と診断

医師はのどの様子を見て扁桃炎かどうかを判断します。ただし、ウイルスと細菌のどちらが原因でも見た目はあまり変わらないため、のどを見るだけで原因を見分けるのは難しいのが実際です。鼻水やせきがある場合は、ウイルスによるものの可能性が高くなります。

溶連菌による咽頭炎には抗菌薬が必要なため、綿棒でのどをこすって溶連菌がいるかどうかを調べる検査を行います。子どもでは多くの場合に検査しますが、大人では、扁桃に白い斑点がある、首のリンパ節が腫れて痛む、熱がある、せきがない、といった条件を満たすときに限って検査するのが一般的です。ただし、いつ検査し、いつ抗菌薬を使うべきかについては、専門家のあいだでも意見が分かれています。

扁桃周囲膿瘍が疑われる場合は、超音波検査で膿の場所を確かめ、針を刺して膿を抜き、原因菌を調べることがあります。のどの横の深い部分に膿がたまっていないかがはっきりしないときは、CT検査や超音波検査で確かめます。

扁桃炎の治し方

  • 休養と水分:十分に水分をとり、体を休めることがすすめられます。温かい塩水でのうがいもよくすすめられますが、効果が証明されているわけではありません。
  • 痛み止め:アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)などの飲み薬が、痛みを和らげるのによく役立ちます。
  • トローチやスプレー:ベンゾカイン、フェノール、リドカインなどを含むトローチやスプレーで痛みを和らげることができますが、くり返し使う必要があり、使いすぎると害になることがあります。味がわかりにくくなることもあります。
  • ステロイド:症状が重い場合、デキサメタゾンを1回だけ飲み薬か注射で使う医師もいます。症状の期間を短くし、痛みを和らげて食事をとりやすくしますが、副作用の心配から使わない医師もいます。
  • 抗菌薬:溶連菌による感染では、抗菌薬(通常はペニシリンかアモキシシリン)が使われます。

扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍では、抗菌薬を点滴または飲み薬で使い、通常10日間続けます。膿がたまっている場合は、局所麻酔をしてから針を刺すか小さく切開して膿を出します。多くは外来で治療できますが、点滴や呼吸の見守りのために一時的に入院することもあります。

木のテーブルに置かれた水の入ったグラスと本
十分に水分をとり、体を休めることがすすめられます。AIで作成したイラストです。

扁桃摘出術が検討される場合

溶連菌による扁桃炎をくり返す場合は、扁桃を取る手術(扁桃摘出術)が検討されます。手術が必要になるのは主に子どもで、次のような場合が目安とされています。

  • 溶連菌の感染をくり返す(1年に6回、2年続けて年4回以上、または3年続けて年3回以上)
  • 抗菌薬で治療しても重い感染が続く
  • 扁桃の腫れで空気の通り道が大きくふさがる(閉塞性睡眠時無呼吸症候群など)
  • 扁桃周囲膿瘍をくり返す

大人では、このような具体的な基準は決められていませんが、扁桃の石によるひどい口臭がある場合などに手術が行われることがあります。子どもでも大人でも、年齢や全身の健康状態、これまでの感染からの回復のしかたなどをふまえて、手術をすすめるかどうかが決められます。

手術の後に出血が起こることがあり、子どもより大人に多くみられます。出血は手術から24時間以内か、約7日後に起こるのが一般的で、出血があればすぐに病院へ行く必要があります。

出典によって異なる点:抗菌薬の効果はどのくらいか

MSDマニュアル家庭版は、溶連菌による咽頭炎は抗菌薬なしでも通常7日以内に治まる一方で、治療しないと合併症が起こることがあるとして、溶連菌の感染には抗菌薬を使うとしています。また、いつ検査し、いつ抗菌薬を使うべきかについては専門家の意見が一致していないことにも触れています。

コクランのシステマティックレビュー(Spinksら、2013年)は、のどの痛みに対する抗菌薬の効果を調べた27件の試験(12,835例)をまとめました。抗菌薬を使うと、のどの痛みと発熱はおよそ半分に減り、その差が最も大きいのは3日目でした。3日目にのどの痛みを1人分なくすには6人未満の治療で済みますが、1週間後では21人の治療が必要でした。抗菌薬は急性中耳炎や扁桃周囲膿瘍、リウマチ熱を減らしており、のどの検査で溶連菌が見つかった人ではより効果的でした。

ただしこのレビューは、抗菌薬の利点は相対的にはあるものの、実際の差(絶対的な利点)は控えめであり、高所得国では合併症を1人防ぐために多くの人を治療する必要があると結論づけています。

扁桃炎のポイント

  • 扁桃炎は、のどの奥の左右にある扁桃に感染が起こり、赤く腫れて痛む状態で、とくに子どもに多くみられます。
  • 多くはかぜのウイルスが原因ですが、約3分の1は溶連菌などの細菌によるものです。
  • 主な症状は、飲み込むときの強いのどの痛み、扁桃の腫れと白い斑点、首のリンパ節の腫れ、発熱です。
  • 口が開けにくい、こもった声、よだれ、息苦しさがあれば、扁桃周囲膿瘍などを疑ってすぐに受診してください。
  • 治療は休養・水分・痛み止めが基本で、溶連菌による感染には抗菌薬を使います。
  • 溶連菌の感染や扁桃周囲膿瘍をくり返す場合は、扁桃摘出術が検討されます。

扁桃炎についてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

扁桃炎の原因は何ですか?

多くはかぜを起こすウイルスですが、約3分の1は細菌によるもので、最も多いのはA群レンサ球菌(溶連菌)です。溶連菌による咽頭炎は5〜15歳の子どもによくみられます。

扁桃にできる白いかたまりは何ですか?

扁桃炎をくり返す人では、扁桃の小さなくぼみに小石のような白いかたまり(扁桃の石)がたまることがあります。においのもとになる細菌がとどまり、しつこい口臭や扁桃炎の起こりやすさにつながることがあります。

扁桃炎は何日くらいで治りますか?

多くはウイルスによるもので、休養と水分、痛み止めで回復を待ちます。溶連菌による咽頭炎も、抗菌薬を使わなくても通常7日以内に治まりますが、合併症を防ぐために抗菌薬が使われます。

抗菌薬は必要ですか?

溶連菌による感染では抗菌薬が使われます。研究のまとめでは、抗菌薬でのどの痛みと発熱はおよそ半分に減り、扁桃周囲膿瘍やリウマチ熱などの合併症も減っていましたが、実際の差は控えめでした。

扁桃周囲膿瘍とはどんな病気ですか?

扁桃のまわりの深い組織に細菌が広がり、膿がたまった状態です。飲み込むときの激しい痛み、口が開けにくい、こもった声、よだれなどが特徴で、針や切開で膿を出し、抗菌薬で治療します。

扁桃の手術はどんなときに検討されますか?

主に子どもで、溶連菌の感染をくり返す(1年に6回など)、抗菌薬で治らない重い感染、扁桃の腫れによる空気の通り道の閉塞、扁桃周囲膿瘍のくり返しなどがある場合です。大人では、扁桃の石によるひどい口臭で行われることもあります。

出典

  1. MSDマニュアル家庭版 · のどの感染症(咽頭炎、扁桃炎、扁桃咽頭炎)
  2. MSDマニュアル家庭版 · 扁桃周囲炎と扁桃周囲膿瘍
  3. Spinks A, Glasziou PP, Del Mar CB. Antibiotics for sore throat. Cochrane Database Syst Rev. 2013

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。