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耳の病気 MediBilbao Salud

中耳炎とは?子どもに多い原因・症状・治療と、抗菌薬が必要なとき

中耳炎は、鼓膜の奥にある「中耳」に炎症が起こる病気で、とくに乳幼児によくみられます。かぜの後に耳が痛くなる急性中耳炎、中耳に液体がたまって聞こえにくくなる滲出性中耳炎、耳だれが長く続く慢性中耳炎などがあります。それぞれの症状、受診の目安、治療と予防を整理します。

テーマ
耳鼻咽喉科
更新日
読了時間
8分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757
母親と子どもが診察室で医師と話している様子
中耳炎は、乳幼児によくみられる耳の病気です。AIで作成したイラストです。

中耳炎とは?3つのタイプ

中耳は、鼓膜の奥にある小さな空間です。中には、鼓膜の振動を内耳の神経に伝える小さな骨が3つあります。中耳は「耳管」という細い管で鼻の奥とつながっていて、つばを飲み込むと耳管が開き、中耳の中の圧力が調整されます。

  • 急性中耳炎:ウイルスや細菌の感染で中耳に炎症が起こり、耳が痛くなるもの。
  • 滲出性中耳炎:中耳に液体(滲出液)がたまった状態で、痛みは少なく、耳のつまり感や聞こえにくさが主な症状です。
  • 慢性中耳炎:中耳の感染が3か月以上続くもので、鼓膜に治らない穴があき、耳だれや難聴が続きます。

これらは互いに関係していて、急性中耳炎が治りきらないと、滲出性中耳炎や慢性中耳炎になることがあります。

中耳炎の原因と、子どもに多い理由

急性中耳炎は、かぜやアレルギーの合併症としてよく起こります。どの年齢でも起こりますが、最も多いのは生後3か月から3歳までです。この年齢の子どもは、耳管など中耳の構造がまだ発達の途中で、大人ほどうまく働かないためです。

中耳炎のリスクを高める状況として、次のようなものが挙げられています。

  • 家族にたばこを吸う人がいる
  • 近親者に中耳炎になったことのある人が多い
  • 大気汚染のひどい地域で暮らしている
  • 母乳ではなく人工乳で育てられている
  • 保育施設に通っている

滲出性中耳炎は、急性中耳炎が完全に治らなかったときや、アレルギーやアデノイド(鼻の奥のリンパ組織)の腫れで耳管がふさがったときに起こります。

急性中耳炎の症状

  • 感染した側の耳が痛む
  • 鼓膜が赤く腫れる
  • 聞こえにくくなる(多くの人でみられます)
  • 幼児では、発熱、吐き気、嘔吐、下痢がよく起こる

乳児では、耳の痛みをうまく伝えられないため、機嫌が悪くぐずる、あまり眠らないといった様子だけのこともあります。

ときに、膨らんだ鼓膜が破れて耳から膿が流れ出し、それとともに痛みが和らぐことがあります。まれに、感染が耳の後ろの骨(乳様突起)や内耳に広がり、ごくまれに髄膜炎や脳の膿瘍を起こすこともあります。感染が広がると、激しい頭痛、錯乱、脳の働きの障害がみられることがあります。

滲出性中耳炎:痛みは少なく、聞こえにくさが中心

耳管がふさがると、中耳の中の空気が少しずつ血液に吸収されて中耳の圧力が下がり、そこに液体がたまっていきます。滲出性中耳炎は、子どもで急性中耳炎の後に起こることが多く、数週間から数か月続くことがあります。

  • 耳がつまった感じがする
  • つばを飲み込むと、ポンという音やパリパリという音がする
  • 少し聞こえにくくなる
  • 耳の痛みはまれ

多くは治療をしなくても回復しますが、聞こえにくい状態が長く続く幼児では、言葉の発達が正常に進むように適切な治療が必要になることがあります。子どもの聞こえが気になる場合は、早めに相談してみましょう。

慢性中耳炎と真珠腫

慢性中耳炎は、多くは鼓膜に治らない穴(鼓膜穿孔)があいた急性中耳炎から始まります。かぜをひいたときや、入浴や水泳で鼓膜の穴から水が入ったときに、急に悪化することがあります。

  • 耳からドロドロした液体や膿が出る(耳だれ)
  • 聞こえにくくなり、それが続くこともある
  • 耳の痛みは通常ない

慢性中耳炎の人では、中耳に「真珠腫」という皮膚のようなできもの(がんではありません)ができることがあります。真珠腫があると、治らない難聴、頭蓋骨や脳への感染、顔を動かす神経の損傷といった重い合併症の危険が高まります。耳だれが続く場合は、そのままにせず耳鼻咽喉科を受診してください。

受診の目安と中耳炎の診断

耳の痛みや発熱が続く、耳だれが出る、聞こえにくさが続くといった場合は、耳鼻咽喉科や小児科を受診しましょう。乳児が理由なく機嫌が悪く、眠らないといった場合も相談してください。

  • 耳の診察:オトスコープ(手持ち式のライト)で外耳道と鼓膜を見ます。急性中耳炎では、鼓膜の奥に膿が見えることがあります。
  • 鼓膜の動きを調べる検査:空気を送って鼓膜を動かす器具や、ティンパノメトリー検査で、中耳に液体がたまっていないかを調べます。
  • 聞こえの検査や画像検査:慢性中耳炎で真珠腫が疑われる場合は、CT検査やMRI検査を行うことがあります。

大人の滲出性中耳炎では、鼻の奥やのどの上部に腫瘍などがないかを確認することもあります。

医師がライトで子どもの耳の中を診察している様子
オトスコープで外耳道と鼓膜の状態を確認します。AIで作成したイラストです。

中耳炎の治療:痛み止め、抗菌薬、鼓膜切開

  • 痛みを和らげる:治療では痛みの緩和が重要です。アセトアミノフェンや、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が使われます。
  • 抗菌薬:急性中耳炎の大半は自然に治りますが、生後6か月未満、症状が重い、症状が72時間たってもよくならない、頻繁に再発するといった場合に抗菌薬を使うという考え方があります。最初に抗菌薬を使わない場合は、悪化したときや48〜72時間たっても改善しないときに使います。
  • 鼻づまりの薬など:子どもでは鼻閉改善薬や抗ヒスタミン薬は役に立たず、とくに2歳未満では危険な副作用が出ることもあります。
  • 鼓膜切開:痛みや熱がひどい、長引く場合などに、鼓膜に小さな穴をあけて膿を出します。聞こえには影響せず、穴は通常自然にふさがります。

中耳炎をくり返す場合や、液体がたまった状態が長引く場合は、鼓膜に小さな管(鼓膜チューブ、換気チューブ)を入れることがあります。チューブは通常6〜12か月で自然に外れます。チューブを入れていても髪を洗ったり泳いだりできますが、頭を深く水に沈めるときは耳栓をするよう指導されることがあります。滲出性中耳炎では、抗菌薬や鼻閉改善薬は役に立たないとされています。

中耳炎の予防

  • 予防接種:子どもの定期予防接種(肺炎球菌、インフルエンザ菌b型〔ヒブ〕、インフルエンザ)で、急性中耳炎のリスクを減らせます。
  • 寝かせ方:乳児に哺乳びんを持たせたまま寝かせると、液体が耳管を通って中耳に入りやすくなるため、行わないようにします。
  • 禁煙:受動喫煙はリスクを高める可能性があるため、とくに家の中や子どものまわりでは、たばこを吸わないようにします。
  • 鼓膜チューブ:くり返す急性中耳炎は、鼓膜チューブで予防できることがあります。

慢性中耳炎で鼓膜に穴があいている場合は、耳に水が入らないよう注意するよう指示されます。鼓膜チューブが入っている子どもで耳から液体が出てきた場合は、感染のサインのことがあるため、医師に知らせてください。

出典によって異なる点:子どもの急性中耳炎に抗菌薬は必要か

MSDマニュアル家庭版は、急性中耳炎の大半は治療しなくても回復するとしながら、米国では症状が治まらない人を予測しにくいことから、すべての患者に抗菌薬を使う医師もいる一方、年齢が低い、症状が重いといった場合に限って使う医師もいると説明しています。

コクランのシステマティックレビュー(Venekampら、2023年)は、高所得国で行われた子どもの急性中耳炎の13件の試験(3,401人)をまとめました。抗菌薬は、24時間後の痛みは減らさず、2〜3日後に痛みのある子どもを約3分の1減らしましたが、1人の痛みを防ぐのに20人に使う必要がありました。一方で、嘔吐、下痢、発疹などの副作用は増え、14人に使うと1人に副作用が出る計算でした。

抗菌薬には一定の効果がありますが、その利益は小さく、副作用とのバランスを考えて使う必要があります。「すぐに使う」か「様子を見て必要なら使う」かは、子どもの年齢や症状をふまえて医師と相談しましょう。

中耳炎のポイント

  • 中耳炎には、耳が痛む急性中耳炎、液体がたまる滲出性中耳炎、耳だれが続く慢性中耳炎があります。
  • 急性中耳炎は生後3か月〜3歳に最も多く、かぜやアレルギーの後によく起こります。
  • 急性中耳炎の大半は自然に治り、治療では痛みを和らげることが重要です。
  • 抗菌薬は年齢や症状に応じて使われ、研究ではその利益は小さく、副作用もあることが示されています。
  • 耳だれや聞こえにくさが続く場合は、真珠腫などがないか耳鼻咽喉科で調べてもらいましょう。
  • 予防接種、受動喫煙を避けること、哺乳びんをくわえたまま寝かせないことが予防に役立ちます。

中耳炎についてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

中耳炎はなぜ子どもに多いのですか?

乳幼児では、耳と鼻の奥をつなぐ耳管など中耳の構造がまだ発達の途中で、大人ほどうまく働かないためです。急性中耳炎は生後3か月から3歳で最も多くみられます。

中耳炎は自然に治りますか?

急性中耳炎の大半は、治療をしなくても回復します。滲出性中耳炎も多くは自然に治ります。ただし、症状が重い、長引く、くり返す場合は治療が必要になることがあります。

中耳炎のとき抗菌薬は必ず必要ですか?

必ずではありません。年齢が低い、症状が重い、2〜3日たってもよくならないといった場合に使うという考え方があります。研究では、抗菌薬の利益は小さく、嘔吐や下痢などの副作用もあることが示されています。

中耳炎のときお風呂やプールに入ってもよいですか?

鼓膜に穴があいている慢性中耳炎では、耳に水が入らないよう指示されます。鼓膜チューブが入っている子どもは髪を洗ったり泳いだりできますが、頭を深く水に沈めるときは耳栓をするよう指導されることがあります。

中耳炎で聞こえが悪くなりますか?

急性中耳炎や滲出性中耳炎では、多くの場合一時的に聞こえにくくなります。慢性中耳炎や真珠腫では、難聴が続くことがあります。幼児で聞こえにくい状態が長引く場合は、言葉の発達のために治療が必要になることがあります。

中耳炎を予防する方法はありますか?

子どもの定期予防接種(肺炎球菌、ヒブ、インフルエンザ)、家の中や子どものまわりでたばこを吸わないこと、乳児に哺乳びんを持たせたまま寝かせないことが役立ちます。

出典

  1. MSDマニュアル家庭版 · 急性中耳炎
  2. MSDマニュアル家庭版 · 滲出性中耳炎
  3. MSDマニュアル家庭版 · 慢性中耳炎(やさしくわかる病気事典)
  4. Venekamp RP, et al. Antibiotics for acute otitis media in children. Cochrane Database Syst Rev. 2023

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。