咽喉頭異常感症とは?
咽喉頭異常感症は、実際にはないのに、のどにしこりやかたまりがあるように感じる状態です。球感覚やヒステリー球とも呼ばれますが、ヒステリーになっているという意味ではありません。
このような人には、飲み込みにくさ(嚥下困難)はみられません。この点が、ほかの病気との大きな違いです。
咽喉頭異常感症の原因
原因はよくわかっていません。のどやそのすぐ下の筋肉の緊張が高まることや、胃食道逆流が関係しているのではないかと考えられています。
この感覚は、悲しみや自尊心に関わる気持ちなど、特定の感情を抱いたときに生じることがありますが、多くの場合はそうした感情とは関係なく起こります。

咽喉頭異常感症と間違えやすい病気
咽喉頭異常感は危険ではなく、合併症もありません。しかし、食道などに影響するより重い病気と混同されることがあります。
- 好酸球性食道炎、上部食道ウェブ、食道けいれん、胃食道逆流症
- 重症筋無力症、筋強直性ジストロフィー、自己免疫性筋炎などの筋肉の病気
- 首や胸の上部の腫瘍
こうした病気では、一般に飲み込みに影響が出たり、しこりの感覚以外の症状が出たりします。
受診の目安
- 首やのどの痛み
- 体重減少
- 突然の発症
- 痛み、のどの詰まり、飲み込みにくさ
- 食べ物の逆流
- 筋力の低下
- 見てわかる、または触ってわかる首のしこり
- 症状がだんだん悪くなる
これらのサインがある場合は、咽喉頭異常感ではなく別の病気が疑われます。数日から1週間以内に受診してください。サインがない場合は、かかりつけ医に電話で相談しましょう。すぐに受診が必要になることはまれです。
診察で確認すること
医師は、のどの違和感と飲み込みにくさを区別することを重視して質問します。飲み込みにくさがあれば、のどや食道の形の異常や動きの問題が疑われます。
症状と飲み込み(食べ物が詰まる感じなど)の関係や、感情的な出来事との関係について詳しく尋ねます。悲しい出来事のときに続く症状が起こり、泣くと軽くなる場合は、咽喉頭異常感が疑われます。
診察と検査
- 口と首の診察:口の中の底や首に、しこりがないかを見て触って確かめます。
- 内視鏡:細く柔らかい管でのどの奥と喉頭を観察します。
- 飲み込みの観察:水やクラッカーなどの固形物を飲み込む様子を見ます。
飲み込みと関係のない症状で、警戒すべきサインがなく、飲み込む様子の観察を含めて診察が正常であれば、咽喉頭異常感である可能性が非常に高く、検査が必要になることはまれです。診断がはっきりしない場合、サインがある場合、のどを十分に観察できない場合は、飲み込みの評価、食道の画像や動画、飲み込みにかかる時間の測定、胸部X線検査、食道の圧の測定などを行います。

咽喉頭異常感症の治療
咽喉頭異常感は危険な状態ではないため、咽喉頭異常感そのものには、薬による治療は必要ありません。この感覚が特定の気分にともなって起こると知っておくだけで、とても助けになることもあります。
うつ病、不安症などの心の不調があり、それが症状をより不快にしていると考えられる場合は、医師が抗うつ薬を試したり、心理士や精神科医を紹介したりすることがあります。
日常生活で気をつけること
咽喉頭異常感は危険な状態ではないため、まずは不安になりすぎないことが大切です。
ただし、症状が変化した、飲み込みにくさや痛み、体重減少などが新たに出てきた場合は、ほかの病気が隠れていないかを確かめるために受診してください。
のどやその下の筋肉の緊張が関係すると考えられているため、緊張や気分と症状の関係に気づくことも役立ちます。
咽喉頭異常感は長引きやすく、くり返しやすいともいわれています。すぐに消えなくても、警戒すべきサインがなければ心配しすぎず、気になるときは医師に相談しましょう。
出典によって異なる点:胃酸の薬を試すかどうか
MSDマニュアル家庭版は、咽喉頭異常感には薬の治療は必要ないとし、心の不調がある場合に抗うつ薬や専門家への紹介を検討するとしています。
咽喉頭異常感の原因、診断、治療を整理した総説(LeeとKim、2012年)は、胃食道逆流が主な原因の一つと考えられるようになったことから、典型的な咽喉頭異常感の人には、まず胃酸を抑える薬を多めの量で試すのが妥当だとしています。効かない場合は内視鏡や食道の検査を行い、検査で異常がないのに症状が続く場合は、言語療法、抗うつ薬、認知行動療法が役立つことがあるとしています。また、咽喉頭異常感は長引きやすく、治療が難しく、くり返しやすいと指摘しています。
このように治療の考え方には違いがあるため、症状が続く場合は医師と相談して方針を決めましょう。
咽喉頭異常感症のポイント
- 咽喉頭異常感症は、実際にはないのに、のどにしこりがあるように感じる状態です。
- 飲み込みにくさはなく、危険ではなく、合併症もありません。
- のどの筋肉の緊張や胃食道逆流が関係していると考えられています。
- 痛み、体重減少、飲み込みにくさ、首のしこりなどがあれば受診します。
- 警戒すべきサインがなく、診察が正常なら、検査が必要なことはまれです。
- 心の不調があればその対応を行い、症状が続く場合は胃酸の薬なども検討されます。
咽喉頭異常感症についてよくある質問
回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。
のどに何か詰まった感じがするのは危険ですか?
飲み込みにくさがなく、警戒すべきサインがなければ、咽喉頭異常感は危険ではなく、合併症もありません。
原因は何ですか?
はっきりわかっていませんが、のどやその下の筋肉の緊張や、胃食道逆流が関係していると考えられています。
ストレスと関係がありますか?
悲しみなど特定の感情を抱いたときに起こることがありますが、多くの場合は感情とは関係なく起こります。
どんなときに受診すべきですか?
のどの痛み、体重減少、突然の発症、飲み込みにくさ、食べ物の逆流、首のしこり、症状の悪化があれば受診してください。
どんな検査をしますか?
口と首の診察、内視鏡によるのどの観察、水や食べ物を飲み込む様子の観察を行います。異常がなければ、追加の検査はまれです。
薬は必要ですか?
通常は必要ありません。心の不調があれば抗うつ薬などを検討します。胃酸を抑える薬を試すことを勧める研究者もいます。
出典
- MSDマニュアル家庭版 · 咽喉頭異常感(球感覚)
- Lee BE, Kim GH. Globus pharyngeus: a review of its etiology, diagnosis and treatment. World J Gastroenterol. 2012
このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。

