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胃と腸の病気 MediBilbao Salud

下痢の原因と治し方|急性・慢性の違い、受診の目安と水分補給

下痢は、便の量や水分、排便の回数が増えた状態です。ウイルスなどの感染による一時的なものが多い一方で、長く続く下痢には別の病気が隠れていることもあります。原因、受診すべきサイン、脱水を防ぐための水分補給、治療を整理します。

テーマ
栄養
更新日
読了時間
6分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757
キッチンでおなかに手を当てながら電話で相談する女性
下痢が72時間以上続く場合は、医師に相談しましょう。AIで作成したイラストです。

下痢とは?

下痢は、便の量、便に含まれる水分、排便の回数が増えることです。ただし、排便の回数が多いだけでは下痢とはいえません。もともと1日に3〜5回排便する人もいます。

正常な便の60〜90%は水分です。便から十分に水分が取り除かれず、便がゆるくて形にならないと下痢になります。下痢では、おなかのガス、けいれんするような痛み、急な便意を伴うことが多く、感染症や有害な物質が原因の場合は吐き気や嘔吐も伴います。

下痢が続くと、体の水分(脱水)や、ナトリウム、カリウムなどの電解質が失われることがあります。

急性の下痢と慢性の下痢

  • 急性の下痢(4日未満):最も多い原因は、ウイルス、細菌、寄生虫による感染(胃腸炎)と、薬の副作用です。
  • 慢性の下痢(4週間を超える):最も多い原因は、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、薬の副作用です。

4週間以上続く下痢は、急性の下痢が長引いている場合もあれば、慢性の下痢を起こす病気の始まりである場合もあります。

汚染された食べものを食べて4〜8時間以内に嘔吐を伴う下痢が突然起こり、ほかの人にもみられる場合は、食べものに含まれる毒素による食中毒が考えられ、一般に12〜24時間続きます。

下痢が起こるしくみ

  • 便が速く通過する:便が大腸を速く通りすぎると水分が吸収されず、水のような便になります。甲状腺の働きが強すぎる病気、腸の手術、一部の薬、カフェイン、ストレスや不安なども原因になります。
  • 吸収されない物質が残る(浸透圧性下痢):一部の果物や豆類、ガムや飴の甘味料、乳糖を分解できない体質(乳糖不耐症)などで起こります。
  • 腸から水分が分泌される(分泌性下痢):一部の細菌やウイルスがつくる毒素などで起こります。
  • 腸の炎症(炎症性下痢):潰瘍性大腸炎などで、腸の粘膜から血液や粘液などが出ます。

抗菌薬で腸の正常な細菌のバランスが崩れて、下痢が起こることもあります。

下痢を起こしやすい食品と飲み物

  • 甘味料:無糖ガム、ミント、プルーンなどに含まれるソルビトールなど
  • 果糖:リンゴジュース、梨ジュース、ブドウ、ハチミツ、清涼飲料(とくにフルーツ味)、メープルシロップなど
  • 乳糖:牛乳、アイスクリーム、ヨーグルト、ソフトチーズなど(乳糖不耐症の人)
  • カフェイン:コーヒー、紅茶、コーラ、一部の市販の頭痛薬

特定のものを食べたり飲んだりした後にだけ下痢が起こる場合は、こうした食品が関係しているかもしれません。おなかの張りやおならを伴うこともあります。気になる食品を控えてみると、原因がわかることがあります。

受診すべきサイン

下痢があっても、必ずしもすぐに医師の診察が必要なわけではありません。ただし、次のようなサインには注意が必要です。

  • すぐに受診:血や膿の混じった便、発熱、脱水のサイン(尿が減る、ぐったりする、ぼんやりする、強いのどの渇き、口の渇き)、強い腹痛
  • 1週間以内に受診:慢性の下痢、夜間の下痢、体重減少
  • 電話で相談:サインがなくても、下痢が72時間以上続く場合

医師は、ほかの症状や年齢、病歴に応じて、受診をすすめたり、自宅での治療を助言したりします。

医療機関で行われること

医師は、下痢がどのくらい続いているか、どの程度ひどいか、周りに同じ症状の人がいるかを尋ねます。

  • 下痢が始まったときの状況(最近の旅行、食べたもの、水)
  • 薬の使用(過去3か月以内の抗菌薬を含む)
  • 腹痛や嘔吐、排便の回数とタイミング
  • 便の様子(血、膿、油、粘液の有無、色や硬さ)
  • 体重や食欲の変化

体の水分の状態を確認し、おなかを詳しく診察します。急性の下痢では、特定の感染症が疑われる場合や、症状が4〜7日以上続く場合、注意すべきサインがある場合にのみ、便の検査が行われます。慢性の下痢では、血液検査や大腸内視鏡検査などが行われることもあります。

診察室で男性が医師に症状を説明している様子
下痢の続いている期間や便の様子、薬の使用などを確認します。AIで作成したイラストです。

下痢のときの水分と塩分の補給

下痢の多くは自然に治ります。ウイルス感染による下痢は、通常24〜48時間で自然に回復します。そのあいだに大切なのが、脱水を防ぐことです。

  • バランスのとれた液体:水分、糖分、塩分のバランスをとった液体を補給します。
  • 口から補給:ひどく吐いていなければ、口から補給できます。
  • 点滴:状態が重い場合や、電解質の異常がはっきりしている場合は、点滴が必要で、入院することもあります。

下痢ではナトリウムやカリウムなどの電解質も失われるため、水分だけでなく塩分や糖分も含む液体で補います。

テーブルで水の入ったコップを飲む女性
下痢のときは、こまめな水分補給で脱水を防ぎます。AIで作成したイラストです。

下痢の治療:原因の治療と下痢止め

  • 原因の治療:下痢を起こす食品や薬を避け、寄生虫の感染があればそれを治す薬を使うなど、原因に合わせて治療します。
  • 下痢止め:腸の筋肉をゆるめ、便が腸を通るのを遅らせる薬で、下痢の回数を減らすのに役立ちます。市販薬もあります。
  • 吸着薬など:腸の中の有害な物質や微生物を吸着する薬や、便を硬くする薬が役立つこともあります。
  • 慢性の下痢:便秘の治療に使われる、水分を吸って膨らむタイプの薬が、ときに慢性の下痢を和らげます。

ただし、特定の細菌(腸炎を起こすサルモネラ菌や赤痢菌、抗菌薬に関連する腸炎の原因菌)による感染が疑われる場合は、下痢止めは使わないとされています。血便や発熱がある場合は、自己判断で下痢止めを使わずに受診しましょう。

出典によって異なる点:プロバイオティクスは下痢に効くか

MSDマニュアル家庭版は、大人の急性の下痢の治療として、水分と塩分の補給、原因の治療、下痢止めなどを挙げていますが、プロバイオティクス(体に良い働きをする生きた菌)については取り上げていません。

コクランのシステマティックレビュー(Collinsonら、2020年)は、感染による急性の下痢に対するプロバイオティクスについて、82件の研究(12,127人、大半は子ども)をまとめました。大規模で偏りのリスクが低い試験に基づくと、プロバイオティクスは、48時間以上続く下痢になる人の数にほとんど、あるいはまったく影響しないと考えられました。下痢の期間が短くなるかどうかも、はっきりしませんでした。

急性の下痢では、プロバイオティクスに頼るより、水分と塩分の補給をしっかり行うことが基本です。

下痢のポイント

  • 下痢は、便の量、水分、回数が増えた状態です。
  • 急性の下痢は感染性胃腸炎や薬、慢性の下痢は過敏性腸症候群や炎症性腸疾患などが主な原因です。
  • ウイルス感染による下痢は、通常24〜48時間で自然に治ります。
  • 水分、糖分、塩分のバランスをとった液体で脱水を防ぐことが大切です。
  • 血便、発熱、強い腹痛、脱水のサインがある場合は、すぐに受診しましょう。
  • 72時間以上続く場合や、慢性の下痢、夜間の下痢、体重減少がある場合も医師に相談しましょう。

下痢についてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

下痢の原因は何ですか?

急性の下痢ではウイルス、細菌、寄生虫による感染や薬の副作用が、慢性の下痢では過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、薬の副作用が主な原因です。

下痢はどのくらいで治りますか?

ウイルス感染による下痢は、通常24〜48時間で自然に治ります。72時間以上続く場合は、医師に相談してください。

下痢のときは何を飲めばよいですか?

水分、糖分、塩分のバランスをとった液体を補給しましょう。ひどく吐いていなければ、口から補給できます。

下痢止めは使ってもよいですか?

下痢の回数を減らすのに役立ちます。ただし、特定の細菌による感染が疑われる場合は使わないとされているため、血便や発熱がある場合は自己判断で使わずに受診しましょう。

すぐに病院に行くべき下痢は?

血や膿の混じった便、発熱、強い腹痛、尿が減る・ぐったりする・強いのどの渇きなどの脱水のサインがある場合は、すぐに受診してください。

ヨーグルトやプロバイオティクスは下痢に効きますか?

研究では、感染による急性の下痢に対して、プロバイオティクスは下痢が長引く人の数をほとんど減らさないと報告されています。まずは水分と塩分の補給が基本です。

出典

  1. MSDマニュアル家庭版 · 成人の下痢
  2. Collinson S, et al. Probiotics for treating acute infectious diarrhoea. Cochrane Database Syst Rev. 2020

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。