夜尿症(おねしょ)とは?
夜尿症は、眠っている間にだけ尿を漏らしてしまう状態です。トイレトレーニングの期間や、排尿をコントロールできるようになる年齢には大きな個人差があります。約90%の子どもは5歳までに昼間の排尿をコントロールできるようになりますが、夜間はもっと時間がかかることがあります。
そのため、夜間のおもらしは通常、7歳未満では病気とはみなしません。
おねしょはいつまで続く?
夜尿症は、5歳児の約20%、10歳児の約10%にみられ、大人でも約0.5〜3%の人で続いています。女の子より男の子に多く、家族に夜尿症の人がいる子どもによくみられます。
夜尿症は治療しなくても成長とともによくなる傾向があり、夜尿症のある子どもは1年に約14%ずつ減っていきます。
夜尿症の主な原因
夜尿症のほとんどは病気が関係しておらず、次のような要因が組み合わさって起こります。
- 発達の遅れ
- トイレトレーニングが完了していない
- 膀胱がいっぱいになる前に縮んでしまう
- 寝る前に水分をとりすぎる
- 眠りがとても深く、目覚めにくい
- 家族歴:両親の一人に夜尿症があった場合は44%、両親ともにあった場合は77%の確率で子どもにもみられます
一方、最大30%は、尿路感染症、便秘、腎臓の病気などの病気が原因です。いびきや睡眠中の呼吸停止がある睡眠時無呼吸の子どもでも、おねしょが起こることがあります。
早めに受診すべきサイン
- 強いのどの渇き、尿の量が多い、体重が減る
- 片脚または両脚に力が入らない、動かしにくい、「変な感じがする」と訴える
- 腰に深いくぼみや、毛が異常に生えている部分がある
- 1年以上おもらしがなかったのに、新たに始まった
- 6歳以上で昼間もおもらしがある
- 性的虐待が心配される
これらのサインがあれば、子どもの診療に慣れた医師の診察を受けてください(6歳以上の昼間のおもらしだけの場合は、1週間ほど待ってもかまいません)。
病院ではどんなことをする?
医師は、症状がいつから始まったか、おもらしがいつ起こるか、続けて漏れるのか、ときどきなのかを尋ね、体の診察をします。多くの場合、問診と診察で原因と必要な検査の見当がつきます。
- 排尿日誌・排便日誌:排尿の時間・回数・量と、便の回数・量・硬さを毎日記録すると役立ちます。
- 原因を探る質問:便秘、発熱や排尿時の痛み、頻繁で量の多い排尿、いびきや日中の強い眠気などがないかを確認します。
- 家族歴:夜尿症や尿路の病気の家族歴があれば伝えましょう。
家庭でできる生活の工夫
医師は、まず生活の中での行動を変えることから始めるよう勧めるのが一般的です。
- 水分のとり方:昼間は定期的に飲み物を飲ませ、寝る1〜2時間前からは水分や食べ物を控えます。
- 二段排尿:寝る前に、続けて2回トイレに行かせます。
- 便秘の対策:便秘があれば、きちんと治療します。
カフェインや、オレンジジュース・トマトジュースなどの酸性の飲み物は膀胱を刺激して、おもらしにつながることがあります。
最も効果的な夜尿アラーム
長期的な対策として最も効果的なのは、夜尿アラーム(おねしょアラーム)です。尿を感知すると大きな音や振動で子どもを起こします。最初はおねしょが続きますが、だんだん膀胱がいっぱいになった感覚とアラームが結びつき、おねしょの前に目覚めてトイレに行けるようになります。
完全に止まるまでには、毎晩最長4カ月ほど使い続ける必要があるかもしれません。夜尿アラームは処方せんなしで手に入ります。
薬と、家族の接し方
飲み薬でおねしょの回数を減らすことができますが、多くの子どもは薬をやめると再びおねしょが起こります。再発してもショックを受けないよう、親子で再発の可能性を知っておくことが大切です。
親は、おねしょを罰してはいけません。しつけや罰はおねしょを止めるのに役立たず、ストレスや不安を高め、自尊心を下げるだけです。また、子ども自身がおねしょを気にしていない、治療に取り組む気持ちがない場合は、準備が整うまで治療を待つべきとされています。治療の成功には、親子が一緒に取り組むことが影響します。
出典によって異なる点:夜尿アラームの効果と根拠の強さ
MSDマニュアル家庭版は、夜尿アラームを使うと、14日間連続でおねしょをしない可能性が約7倍、その後もおねしょをしない可能性が約9倍高くなるとし、最も効果的な治療法と説明しています。
コクランのシステマティックレビュー(Caldwellら、2020年)は、74件の試験(5,983人の子ども)をまとめ、同じように、アラームでは何もしない場合より多くの子どもがおねしょをしなくなり、その状態が治療後も続く可能性があるとしました。ただし、こうした結果の根拠の質は「低い」と評価されており、アラームの種類による違いや、薬と比べた効果についてははっきりしないとしています。
つまり、夜尿アラームは有望な方法ですが、子どもと家族の負担も考えながら、医師と相談して選ぶことが大切です。
夜尿症のポイント
- 夜尿症は5歳児の約20%、10歳児の約10%にみられ、7歳未満では通常病気とみなしません。
- ほとんどは病気が原因ではなく、成長とともに毎年約14%ずつ減っていきます。
- 強いのどの渇きや脚の異常、急に始まったおねしょは、早めに受診します。
- 昼間に水分をとり、寝る1〜2時間前は控え、寝る前に2回トイレに行きます。
- 長期的に最も効果的なのは夜尿アラームです。
- おねしょを叱ったり罰したりしても役立たず、自尊心を下げるだけです。
夜尿症についてよくある質問
回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。
おねしょは何歳まで様子をみてよいですか?
夜間のおもらしは、通常7歳未満では病気とみなしません。ただし、のどの渇きや脚の異常などのサインがあれば、年齢に関係なく受診してください。
おねしょは遺伝しますか?
両親の一人に夜尿症があった場合は44%、両親ともにあった場合は77%の確率で子どもにもみられます。
寝る前の水分は控えたほうがよいですか?
昼間は定期的に飲み物をとり、寝る1〜2時間前からは水分や食べ物を控えるのが勧められています。
夜尿アラームとは何ですか?
尿を感知すると音や振動で子どもを起こす装置です。続けるうちに、おねしょの前に目覚めてトイレに行けるようになります。
薬で治りますか?
飲み薬でおねしょの回数を減らせますが、多くの子どもは薬をやめると再びおねしょが起こります。
叱ったほうが早く治りますか?
いいえ。罰はおねしょを止めるのに役立たず、ストレスや不安を高め、自尊心を下げるだけです。
出典
- MSDマニュアル家庭版 · 小児の尿失禁
- Caldwell PHY, et al. Alarm interventions for nocturnal enuresis in children. Cochrane Database Syst Rev. 2020
このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。
