ストレスとは?
ストレスという言葉は、もともと物体の外から圧力が加わって歪みが生じた状態を表すものでした。風船にたとえると、風船を指で押さえる力が「ストレッサー」、押されて風船が歪んだ状態が「ストレス反応」です。
- 物理的ストレッサー:暑さや寒さ、騒音、混雑など
- 化学的ストレッサー:公害物質、薬物、酸素の不足や過剰など
- 心理・社会的ストレッサー:人間関係、仕事の問題、家庭の問題など
ふだん「ストレス」と呼んでいるものの多くは、心理・社会的ストレッサーのことです。
こころ・体・行動にあらわれるストレス反応
- こころ:活気の低下、イライラ、不安、気分の落ち込み、興味や関心の低下
- 体:体のふしぶしの痛み、頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠
- 行動:飲酒や喫煙の量が増える、周囲との交流を避ける、身だしなみがだらしなくなる
ストレスへの対処がうまくいかず、反応が長く続くと、まず元気がなくなり、次にイライラや不安を覚え、最後には「うつ」に近い状態になっていきます。
働く人のストレス
厚生労働省の調査(2012年)では、仕事や職業生活でストレスを感じている人は60.9%で、働く人の約6割がストレスを感じながら仕事をしています。
ストレスの内容は、人間関係(41.3%)が最も多く、仕事の質(33.1%)、仕事の量(30.3%)と続きます。昇進や配置転換、転勤、単身赴任など、職場の変化もストレスのもとになります。
ストレスのサインに気づく
ストレスをため込みすぎないコツの一つは、自分のストレスに気づくことです。「最近よく眠れない」「イライラすることが増えた」は、こころの不調のサインです。
- 不安感、イライラ感、緊張感
- 無力感、やる気が出ない
- 食欲がなくなる、やせてきた
- 寝つきが悪い、朝早く目が覚める
- 動悸がする、手や足の裏に汗をかく
こうした症状が2週間以上続く場合は「うつ」が疑われるため、精神科や心療内科に早めに相談することが勧められています。
ストレスのきっかけになりやすい出来事
- 生活の出来事:自分や家族の病気・けが・災害、家庭内の人間関係の問題、ローンや借金、収入の減少、引っ越しや騒音などの住環境の変化
- 職場の出来事:仕事での失敗やミス、仕事の量や質・勤務時間の変化、上司や同僚との人間関係のトラブル、昇進や配置転換、転勤
こうした出来事が重なったり、長く続いたりすると、こころの不調につながることがあります。気になるときは、家族や上司、同僚、産業保健スタッフなど、相談しやすい人に話してみましょう。
解消法1:リラクセーションと運動
- 腹式呼吸:自宅や職場の席でも、短時間で簡単に行えます。
- ヨガ:リラクセーション法の一つです。
- ストレッチ:長時間同じ姿勢でいるときや、仕事の量・人間関係でストレスがかかるときは筋肉が緊張しています。筋肉をゆっくり伸ばすと、緊張がゆるみ、血行が促されます。
- 運動:勝ち負けにこだわらず、「楽しむ」気持ちが大切です。手軽にできる好きな運動を、楽しい環境で行いましょう。

解消法2:睡眠、人との交流、笑い、趣味
- 快適な睡眠:起きたときに気持ちがよく、日中に眠くならない睡眠のことです。必要な時間には個人差があります。15分ほどの昼寝は、仕事の効率アップにつながるといわれています。
- 親しい人と話す:不安やイライラが整理され、解決策が見えたり、アドバイスがもらえたりします。
- 笑い:自律神経のバランスを整えたり、免疫力を正常にしたりする効果もあるとされています。
- 仕事から離れた趣味:仕事から解放されている実感が意欲を高め、仕事と関係のない人との交流が生活の幅を広げます。
ストレス解消の誤解と、相談することの大切さ
- ストレス解消のための喫煙は勧められません。
- 飲酒は役立つこともありますが、量と頻度のコントロールが必要で、習慣的な飲酒は勧められません。
- 運動や趣味も、翌日の生活に影響するほどやりすぎると逆効果です。
ストレスへの対処には、原因そのものに働きかける方法、周囲の協力を得て解決する方法、気持ちを人に聴いてもらって発散する方法があります。自分だけで対応しきれないときは、仕事のことは同僚や上司に、心身の不調は医療の専門家に、お金の法的な問題は法律の専門家に相談しましょう。
出典によって異なる点:喫煙はストレス解消になるか
こころの耳(厚生労働省)は、ストレス解消のための喫煙は勧められないとし、飲酒についても量と頻度のコントロールが必要だとしています。
e-ヘルスネット(厚生労働省)は、さらに踏み込んで説明しています。喫煙する人が感じる「ストレスが減る」効果は、ニコチンが切れたことによる離脱症状がやわらぐだけで、禁煙すると離脱症状から解放され、かえってストレスが下がり、こころの健康度も改善することがわかっているとしています。また、ストレスやうつは、心筋梗塞などの循環器の病気が起こるきっかけとしても影響が大きいとしています。
つまり、たばこはストレス解消法にはならず、こころの健康は体の病気の予防にもつながると考えられます。
ストレス解消のポイント
- ストレスは、ストレッサーとストレス反応に分けて考えます。
- 働く人の約6割が、仕事でストレスを感じています。
- 眠れない、イライラするなどのサインに早めに気づくことが大切です。
- 腹式呼吸、ストレッチ、楽しめる運動、快適な睡眠、人との会話、趣味が役立ちます。
- 喫煙はストレス解消にならず、飲酒は量と頻度に注意します。
- 症状が2週間以上続くときは、精神科や心療内科に相談します。
ストレス解消についてよくある質問
回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。
ストレスとは何ですか?
外からの刺激(ストレッサー)と、それによってこころや体に生じる反応(ストレス反応)をあわせて、ストレスと呼ぶことがあります。
ストレスがたまっているサインはありますか?
よく眠れない、イライラする、やる気が出ない、食欲がない、動悸がするなどがサインです。
すぐにできるストレス解消法はありますか?
腹式呼吸は、自宅や職場の席でも短時間で簡単に行えます。筋肉をゆっくり伸ばすストレッチもおすすめです。
お酒やたばこでストレスは解消できますか?
喫煙は勧められません。飲酒は量と頻度のコントロールが必要で、習慣的な飲酒は勧められません。
運動はストレス解消になりますか?
役立ちます。勝ち負けにこだわらず、手軽にできる好きな運動を楽しむことが大切です。
どんなときに専門家に相談すべきですか?
気分の落ち込みや不眠などが2週間以上続くときは、精神科や心療内科に早めに相談してください。
出典
- 厚生労働省 こころの耳 · ストレス軽減ノウハウ
- 厚生労働省 こころの耳 · ストレス軽減ノウハウ 1 ストレスとは
- 厚生労働省 こころの耳 · ストレス軽減ノウハウ 3 ストレスへの気づき
- 厚生労働省 こころの耳 · ストレス軽減ノウハウ 4 ストレスへの対処
- 厚生労働省 こころの耳 · ストレスに関してまとめたページ
- 厚生労働省 こころの耳 · 15分でわかるセルフケア
- 厚生労働省 e-ヘルスネット · ストレス(キーワード)
このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。

