食中毒とは?
食中毒は、原因となる細菌やウイルスが食べ物について体に入ることなどで起こります。原因はさまざまで、食べてから症状が出るまでの時間や症状、予防法も異なります。
- 細菌:サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌、セレウス菌、腸管出血性大腸菌など
- ウイルス:ノロウイルスなど
- 自然毒:毒キノコ、有毒植物、汚染された魚介類など
- 化学物質
- 寄生虫
家庭の食事でも起こる
食中毒は飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日の家庭の食事でも起こっています。
家庭で起こる食中毒は、症状が軽かったり、発症する人が1〜2人だったりすることが多いため、かぜや寝冷えと思われて食中毒と気づかれず、重症化することもあります。
例:ブドウ球菌による食中毒
黄色ブドウ球菌は皮膚にいる細菌で、手を十分に洗わずに食べ物を触ると食べ物が汚染されます。その食べ物を室温で放置すると、細菌が増えて毒素をつくります。
- 食べてから約30分〜8時間後に、強い吐き気と嘔吐が急に始まります。
- おなかのけいれん痛、下痢、ときに頭痛や発熱もみられます。
- 症状は通常1日ほど続き、完全に回復します。
- 汚染されていても、味やにおいは普通のことが多くあります。
- 症状が軽い場合でも、水分をしっかりとることが大切です。
症状が出たときの対処法
- 水分補給:大量の水分をとるようにします。食中毒の多くは、水分と電解質の補給だけで回復します。
- 点滴:水分がとれない場合は、医療機関で点滴による水分補給が必要になることがあります。
- 吐き気止め:大人では、強い吐き気や嘔吐を抑える薬が使われることがあります。
- 抗菌薬:ブドウ球菌の毒素による食中毒では、抗菌薬は使いません。
水分や電解質が大量に失われると、筋力の低下や大幅な血圧の低下(ショック)が起こることがあり、とくに乳幼児、高齢者、病気で体が弱っている人では命にかかわることもあります。
食中毒予防の3原則
- つけない:細菌を食べ物につけないようにします。
- 増やさない:食べ物についた細菌を増やさないようにします。
- やっつける:食べ物や調理器具についた細菌をやっつけます。
この3つの原則を、買い物から食事、残った食品の扱いまで、それぞれの場面で実践することが大切です。
買い物と保存のポイント
- 買い物:消費期限などの表示を確認し、肉や魚は汁がもれないように分けて包み、寄り道せずにまっすぐ帰ります。
- 冷蔵・冷凍:帰ったらすぐ冷蔵庫へ入れます。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下に保ち、冷蔵庫に詰めるのは7割程度にします。
- 肉や魚:汁がもれないように包んで保存します。
下準備と調理のポイント
- 作業の前や、肉や魚を扱った後にはこまめに手を洗います。
- 肉や魚は、生で食べるものから離します。肉や魚を切った包丁やまな板は、洗って熱湯をかけておきます。
- 冷凍食品の解凍は冷蔵庫で行います。
- 加熱は十分に行います。目安は中心部の温度が75℃で1分間以上です。
- 電子レンジは、均一に加熱されるようにします。
食事と残った食品のポイント
- 食事の前には手を洗います。
- 料理は長時間室温に放置しません。
- 残った食品は、清潔な容器に小分けして早く冷えるようにし、温め直すときは75℃以上を目安に十分に加熱します。
- 時間が経ちすぎたり、少しでも怪しいと思ったりしたら、思い切って捨てます。
- 肉やレバーなどの内臓は、新鮮かどうかにかかわらず、よく加熱して食べます。
出典によって異なる点:自分で吐くべきか
MSDマニュアル家庭版の食中毒の概要では、毒キノコなどの毒性物質を食べた場合について、可能であれば早く胃から有害物質を取り除くことが多くの場合よい方法で、ほとんどの場合は嘔吐で吐き出せるとしています。一方で、ブドウ球菌食中毒の治療は水分補給が中心で、抗菌薬は使わないとしています。
厚生労働省は、細菌やウイルスによる食中毒について、原因によって症状や予防法が異なるとしたうえで、家庭では「つけない・増やさない・やっつける」の3原則による予防を重視しています。
原因によって対処が異なるため、毒キノコや有毒植物を食べた可能性がある場合や症状が重い場合は、自己判断せずにすぐ医療機関に相談することが大切です。
食中毒のポイント
- 食中毒の原因には、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫があります。
- 家庭の食事でも起こり、かぜと間違われることがあります。
- 症状が出たら、まず十分な水分と電解質をとります。
- 水分がとれない、ぐったりしているなどの場合はすぐに受診します。
- 予防の3原則は「つけない・増やさない・やっつける」です。
- 加熱は中心部75℃で1分間以上を目安に、残り物は早く冷やして保存しましょう。
食中毒についてよくある質問
回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。
食中毒の原因は何ですか?
細菌(サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオなど)、ウイルス(ノロウイルスなど)、自然毒、化学物質、寄生虫などがあります。
食中毒になったらどうすればよいですか?
まず大量の水分をとるようにします。多くは水分と電解質の補給だけで回復しますが、水分がとれない場合は医療機関を受診してください。
食中毒の症状はどのくらいで出ますか?
原因によって異なります。たとえば黄色ブドウ球菌の食中毒では、食べてから約30分〜8時間後に強い吐き気と嘔吐が始まります。
食中毒を予防するにはどうすればよいですか?
細菌を「つけない、増やさない、やっつける」が3原則です。手洗い、低温での保存、十分な加熱を心がけましょう。
加熱の目安は何度ですか?
中心部の温度が75℃で1分間以上が目安です。残った食品を温め直すときも75℃以上を目安に十分に加熱します。
においや味が普通なら食べても大丈夫ですか?
汚染されていても、味やにおいが普通のことは多くあります。時間が経ちすぎたり怪しいと思ったりしたら、思い切って捨てましょう。
出典
このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。
