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筋肉と痛み MediBilbao Salud

線維筋痛症とは?全身の痛みの原因・症状・診断と治療

線維筋痛症は、筋肉や腱、靱帯などに広がるうずくような痛みとこわばりに、睡眠不足、疲れ、集中力の低下などを伴う病気です。命に関わる病気ではありませんが、長引く症状で生活に大きな支障が出ることがあります。原因、症状、診断、そして治療と日常の工夫を整理します。

テーマ
理学療法
更新日
読了時間
6分
監修
Itziar Gotxi Erezuma医師 · 耳鼻咽喉科専門医 · ビスカヤ県医師会 登録番号 484809757

線維筋痛症とは?

線維筋痛症は、筋肉、腱、靱帯などの軟部組織に広がる、うずくような痛みとこわばりを特徴とする病気です。睡眠不足、疲労感、集中しにくいといった症状を伴います。以前は結合組織炎や線維筋炎症候群と呼ばれていました。

よくみられる病気で、女性に男性の約7倍多くみられます。通常は若い女性や中年の女性に起こりますが、男性、子ども、思春期の人にも起こることがあります。

線維筋痛症は自己免疫の病気ではなく、危険な病気でも命に関わる病気でもありません。しかし、長引く症状によって、生活に大きな支障をきたすことがあります。

線維筋痛症の原因

線維筋痛症の人は、痛みに対する感度が高くなっていると考えられています。つまり、脳の痛みを処理する部分が、線維筋痛症のない人より痛みの感覚を強く受け取っているのです。通常、なぜそうなるのかはわかっていません。

  • 睡眠不足
  • ストレス
  • 筋肉の傷めや、けが
  • ウイルスなどの感染症

こうした状態が、線維筋痛症のリスクを高める可能性があります。関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの病気を併せもっている人もいます。

線維筋痛症の症状

  • 全身の痛みとこわばり:ほとんどの人が全身のうずき、こわばり、痛みを感じます。とくに首、肩の上部、胸、腰、太もも、腕、関節の周りに起こりやすい傾向があります。
  • 圧痛点:特定の場所を指先で強く押すと痛みを感じることがよくあります。
  • 疲労感:疲れやすさは一般的な症状です。
  • 睡眠の問題:熟睡できないことが多くあります。
  • 心の症状:不安、ときに抑うつや緊張を感じます。集中力の低下や頭がもやもやする感じもよくみられます。
  • そのほか:片頭痛や緊張型頭痛などを伴うこともあります。

痛みは強いこともあり、通常は疲れや緊張、体の使いすぎの後に悪化します。

症状を悪化させるもの

ほかの病気によって、線維筋痛症の症状が悪化することがあります。

  • 炎症性の関節の病気:関節リウマチなど
  • 睡眠を妨げる病気:閉塞性睡眠時無呼吸症候群やうつ病による睡眠障害など
  • 疲れと緊張:体の使いすぎ、疲労、ストレス

関節リウマチ、強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデスのある人では、これらの病気自体も疲れや筋肉・関節の痛みを起こすため、線維筋痛症があっても気づかれにくいことがあります。

線維筋痛症の診断

線維筋痛症には、診断につながる特定の検査がありません。次のような場合に線維筋痛症が疑われます。

  • 全身にわたる痛みと圧痛がある
  • 症状は広い範囲に及ぶのに、検査では異常が見つからない
  • 疲労感が主な症状である

広い範囲の痛みが3か月以上続いている場合、とくに疲労感などほかの体の症状を伴う場合に、確立された基準に基づいて診断を考えます。以前は特定の18か所の圧痛点の数も診断に使われていましたが、現在は圧痛点の数より、関節にとどまらない広い範囲の痛みなどの典型的な症状がある方が重要と考えられています。

ほかの病気との区別

医師は、甲状腺機能低下症、リウマチ性多発筋痛症、ほかの筋肉の病気などで症状が起きていないことを確かめるために、しばしば血液検査を行います。

線維筋痛症では、症状が広い範囲に及んでいても、検査では異常が見つかりません。脳が痛みを強く受け取っている状態と考えられていて、適切な治療で楽になります。

関節リウマチなどの病気がある人では、線維筋痛症が見逃されやすいものの、医師の診察で区別できることがあります。

線維筋痛症の治療:運動とセルフケア

線維筋痛症は、適切に治療すると楽になります。最も役立つ対策は次のとおりです。

  • ストレスを減らす:深呼吸の練習、瞑想、マインドフルネス認知療法、カウンセリングなど
  • やさしいストレッチ:痛む筋肉を伸ばしたまま約30秒保ち、それを5回くり返します。
  • 有酸素運動:決まった予定で定期的に行い、とてもゆっくりと、しかし着実に強さを上げていきます。
  • 温める・マッサージ:患部を温めたり、やさしくマッサージしたりします。
  • 十分な睡眠

睡眠の改善と薬による治療

  • 睡眠の習慣:夜はカフェインなどの刺激物を避け、静かな暗い部屋で快適な寝具を使って眠ります。ベッドで飲食したりテレビを見たりしないようにします。
  • 睡眠を改善する薬:抗うつ薬の一種を少量、睡眠の質を良くする目的で使うことがあります。
  • 痛み止め:アセトアミノフェンや非ステロイド系抗炎症薬が役立ちます。
  • 痛みの感じ方に働く薬:一部の抗けいれん薬や抗うつ薬が、睡眠の改善、運動、ストレス管理を含む治療の一部として使われることがあります。

オピオイド(医療用麻薬)は、睡眠のリズムを乱し、依存を起こすおそれがあり、使い続けると効果が弱まるため、線維筋痛症の治療には使われません。線維筋痛症は慢性になりやすいものの、ストレスが減ると自然に良くなることもあります。

出典によって異なる点:有酸素運動はどのくらい効くか

MSDマニュアル家庭版は、とてもゆっくりと強さを上げていく有酸素運動を、最も役立つ対策の一つとして挙げています。

コクランのシステマティックレビュー(Bidondeら、2017年)は、線維筋痛症の大人を対象とした13件のランダム化試験(839人)をまとめました。6〜24週間の有酸素運動は、運動しない場合と比べて、生活の質、痛みの強さ、こわばり、体の機能をいずれも改善する可能性があり、痛みは平均で約11%改善しました。ただし、根拠の質は低いか中くらいで、疲労については十分な効果が示されませんでした。

有酸素運動による改善は中くらいですが、副作用が少なく取り組みやすい方法です。痛みが強くならないよう、とてもゆっくり強さを上げることがポイントです。

線維筋痛症のポイント

  • 線維筋痛症は、全身に広がる痛みとこわばりに、疲れや睡眠の問題、集中力の低下を伴う病気です。
  • 女性に男性の約7倍多く、痛みに対する感度が高くなっていると考えられています。
  • 命に関わる病気ではありませんが、長引く症状で生活に支障が出ることがあります。
  • 特定の検査はなく、3か月以上続く広い範囲の痛みなどの症状から診断します。
  • ストレッチ、ゆっくり強さを上げる有酸素運動、温熱、マッサージ、ストレス管理、睡眠の改善が治療の中心です。
  • 必要に応じて、睡眠や痛みを改善する薬を運動などと組み合わせて使います。

線維筋痛症についてよくある質問

回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。

線維筋痛症とはどんな病気ですか?

筋肉や腱、靱帯などに広がるうずくような痛みとこわばりに、疲れ、睡眠不足、集中力の低下などを伴う病気です。命に関わる病気ではありませんが、生活に大きな支障が出ることがあります。

線維筋痛症の原因は何ですか?

痛みに対する感度が高くなっていると考えられていますが、なぜそうなるかは通常わかっていません。睡眠不足、ストレス、けが、感染症などがリスクを高める可能性があります。

線維筋痛症はどうやって診断しますか?

特定の検査はありません。広い範囲の痛みが3か月以上続き、疲労感などを伴う場合に、確立された基準に基づいて診断します。ほかの病気がないかを血液検査で確かめます。

運動はしても大丈夫ですか?

はい。やさしいストレッチや、とてもゆっくりと強さを上げていく有酸素運動は、最も役立つ対策の一つです。研究でも痛みや生活の質の改善が報告されています。

どんな薬が使われますか?

アセトアミノフェンなどの痛み止めのほか、睡眠を改善する薬や、痛みの感じ方に働く一部の薬が、運動などとあわせて使われることがあります。医療用麻薬は使われません。

線維筋痛症は治りますか?

慢性になりやすい病気ですが、ストレスが減ると自然に良くなることもあります。適切な治療で楽になりますが、多くの人では症状がある程度残ります。

出典

  1. MSDマニュアル家庭版 · 線維筋痛症
  2. Bidonde J, et al. Aerobic exercise training for adults with fibromyalgia. Cochrane Database Syst Rev. 2017

このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。