声帯結節とはどんな病気?
声帯結節は、声帯の縁が小さなイボのように盛り上がる、がんではない(良性の)病変です。声の出しすぎや無理な発声によって声帯がくり返し傷つくことで、左右両側の声帯にできます。
声帯は、息を吸うときに開き、話したり飲み込んだりするときに閉じます。声帯の縁が盛り上がると、声が変わります。学校や幼稚園の先生、歌手など、声をよく使う職業の人に多くみられます。

声帯結節の原因
- よく怒鳴る、大声を出す
- 歌う機会が多い
- 不自然に低い声を出す
- のどを詰めるような無理な発声
声の出しすぎのほか、炎症や喫煙も、声帯の縁が盛り上がって声が変わる原因になります。
声帯ポリープとの違い
- 声帯結節:長く続く声帯への負担で起こり、両側の声帯にできます。子どもにも起こります。
- 声帯ポリープ:叫ぶなど一度の強い負担で起こることが多く、通常は片側にできます。胃食道逆流症、甲状腺機能低下症、煙などの刺激物を長く吸い込むことが原因の場合は、両側にできる傾向があります。結節より大きく、突き出しやすく、成人でよくみられます。
- 声帯肉芽腫:胃酸の逆流や、呼吸のための管を気管に入れたときの傷などで声帯が傷ついてできます。
- 声帯乳頭腫:特定のヒトパピローマウイルス(HPV)によるいぼ状の病変で、1〜4歳で起こることが最も多く、まれに空気の通り道をふさぎます。
どちらも声がれの原因になりますが、治療の進め方が異なります。結節の多くは声の休養と音声治療で治るのに対し、ポリープは多くの場合、手術で切除が必要です。
声帯結節の症状
長く続く声がれや、息が漏れるようなかすれ声が主な症状で、数日から数週間かけて現れる傾向があります。
声の異常は、聞いた感じで、ガラガラした声、かすれた声、弱々しい声、力んだ声などに分けられます。声帯結節では、声が出しにくい、声が変わったと感じることがあります。
子どもの声がれと声帯結節
子ども、特に男の子は、スポーツで大声を出したり、声の使い方がよくなかったりして声がかれることがよくあります。かぜで声が出しにくくなるのは、声帯の粘膜に炎症(喉頭炎)が起こるためで、声帯結節とは区別します。
- 軽い声がれなら、声を休めることで自然に良くなることもあります。
- 大きな声を出しすぎない、のどを詰めるような無理な発声を避けることが大切です。
- ただし、声を過度に制限することは、子どもの心の発達にとって好ましくないとされています。
- 声変わりの時期に結節が消えることが多いため、原則として経過をみます。
結節が大きく、音楽や音読に支障が出たり、友達とのやりとりがうまくいかず心理的な影響が出たりする場合は、手術が必要になることもあります。
声がれで受診すべきとき
声の調子がおかしいときは、まず耳鼻咽喉科で診断を確定することが大切です。喉頭がんなどの悪性腫瘍でも声がかれることがあるからです。
- 大人:声がれが1カ月以上続く場合は、喉頭がんの疑いもあるため、必ず受診してください。
- 子ども:声がれが1週間以上続く、またはだんだん悪くなる場合は受診しましょう。乳頭腫など治療が必要な病気のこともあります。
声帯結節の診断
医師は、鏡や内視鏡(細く柔らかい管状のカメラ)で声帯を観察して診断します(喉頭鏡検査)。この診察で、結節のほか、ポリープ、肉芽腫、潰瘍、声帯の麻痺、がんなど、声に影響する問題がないかを確認します。
ほかの病変と区別が必要な場合や、がんでないことを確かめる必要がある場合には、小さな組織を取って顕微鏡で調べることもあります(生検)。
声の休養と音声治療
- 声を休める:喉を刺激するものをすべて避け、声を休めることが治療の基本です。
- 音声治療:言語聴覚士のもとで、声帯にあまり負担をかけずに話したり歌ったりする方法を学びます。コンピュータを使った訓練で、大声や声の緊張を避ける練習をすることもあります。
- 生活の見直し:声を仕事で使う人には、十分な水分補給や食習慣の見直しが指導されることがあります。
- 関係する病気の治療:鼻水がのどに落ちる後鼻漏が影響している場合は、鼻の治療も行います。
大半の声帯結節は、こうした治療で治ります。炎症を抑える治療や発声訓練で改善しない場合は、手術が行われることもあります。

出典によって異なる点:子どもの声帯結節への対応
MSDマニュアル家庭版は、声帯結節の治療として、喉を刺激するものを避けて声を休めることと、言語聴覚士による音声治療を挙げ、大半の結節はこれで治るとしています。子どもにも起こることにはふれていますが、子ども特有の対応は詳しく述べていません。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、子どもの声帯結節について、声の安静を第一としながらも、過度な発声制限は心の発達に好ましくないこと、声変わりの時期に結節が消えることが多いため原則として経過をみることを挙げています。また大人では、声がれが1カ月以上続く場合に喉頭がんを疑って受診するよう、具体的な目安を示しています。
大人と子どもで対応の考え方が少し異なるため、年齢に応じて専門医と相談することが大切です。
声帯結節のポイント
- 声帯結節は、声の使いすぎや無理な発声で両側の声帯にできる良性のこぶです。
- 長く続く声がれや、息が漏れるようなかすれ声が主な症状です。
- 声帯ポリープは片側にできることが多く、手術が必要になることが多い点で異なります。
- 大人で声がれが1カ月以上続く場合は、喉頭がんとの区別のため必ず受診しましょう。
- 治療の基本は声の休養と音声治療で、大半はこれで治ります。
- 子どもでは声変わりの時期に消えることが多く、原則として経過をみます。
声帯結節についてよくある質問
回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。
声帯結節はがんになりますか?
声帯結節はがんではない良性の病変です。ただし、喉頭がんでも声がかれるため、声がれが続くときは耳鼻咽喉科で診断を確定することが大切です。
声帯結節とポリープの違いは何ですか?
結節は長く続く負担で両側にでき、ポリープは一度の強い負担で片側にできることが多い病変です。ポリープは手術が必要になることが多くなります。
手術をしないと治りませんか?
大半の声帯結節は、声の休養と音声治療で治ります。改善しない場合に手術が検討されます。
音声治療では何をしますか?
言語聴覚士のもとで、声帯に負担をかけにくい話し方や歌い方を学び、大声や声の緊張を避ける練習をします。
子どもの声がれはどうすればよいですか?
大声や無理な発声を避けて様子をみます。1週間以上続く、だんだん悪くなる場合は耳鼻咽喉科を受診してください。
子どもの声帯結節は自然に治りますか?
声変わりの時期に結節が消えることが多いため、原則として経過をみます。生活に支障が大きい場合は手術が検討されることもあります。
出典
このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。

