むずむず脚症候群とは?
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)は、静かに座っているときや横になっているときに、脚(ときに腕)を動かしたいという抗いがたい衝動に駆られる病気です。通常、その部分に異常な感覚も生じます。
米国では5〜15%の人がこの病気をもっている可能性がありますが、はっきりした症状があるのは約2〜3%です。中高年の人に比較的多くみられます。
むずむず脚症候群の症状
- 脚の異常な感覚:漠然としていても強く奇妙な感覚で、焼けるよう、むずむずするよう、引っ張られるよう、虫が這っているようなどと表現されます。痛みを伴うこともあります。
- 動かすと楽になる:歩いたり、脚を動かしたり伸ばしたりすると和らぎます。
- 眠れない:動き回ったり、ベッドの上でゴロゴロしたりするため、リラックスして寝つくことが難しくなります。
ストレスがあると症状が出やすくなります。たまにしか起こらない人もいれば、毎日のように起こって睡眠不足になり、集中や活動が難しくなる人もいます。
周期性四肢運動障害との違い
周期性四肢運動障害は、睡眠中に20〜40秒ごとに脚や腕がピクピク動いたり、跳ねたりする病気です。
- 本人は動きにも、短時間目が覚めたことにも気づかないのが普通です。
- ぐっすり眠れない、夜中に何度も目が覚める、日中に眠いといった訴えにつながります。
- 脚や腕に異常な感覚はありません。ベッドパートナーが「蹴られる」と訴えることがあります。
むずむず脚症候群の人の多くには、周期性四肢運動障害もみられます。
原因と起こりやすい人
原因はわかっていませんが、むずむず脚症候群の人の3分の1以上で、家族にも同じ症状がみられます。次のような人で起こりやすい傾向があります。
- 体を動かさない生活習慣の人
- 鉄欠乏症や貧血がある人
- 妊娠している人
- 重い慢性腎臓病や慢性肝疾患、糖尿病がある人
- 多発性硬化症やパーキンソン病などの神経の病気がある人
- カフェインなどの中枢を刺激する物質や一部の抗うつ薬を使っている人
- ベンゾジアゼピン系などの薬の使用を中止した人
むずむず脚症候群の診断
- 症状の説明:むずむず脚症候群は、多くの場合、本人やベッドパートナーによる症状の説明から診断できます。
- 睡眠ポリグラフ検査:周期性四肢運動障害の診断には、筋電図を含む睡眠ポリグラフ検査が必ず行われます。睡眠中の脳の活動、心拍、呼吸、筋肉の活動、目の動きを記録する検査で、睡眠検査室で行います。
- 原因を探す検査:血液検査や尿検査で、貧血、鉄欠乏症、腎臓や肝臓の病気など、原因になりうる病気がないかを調べます。
生活の中でできること
- カフェインを控える:カフェインは症状を悪化させる可能性があるため、とらないことがすすめられます。
- 脚を動かす:歩いたり、脚を伸ばしたりすると、感覚が和らぎます。
- 体を動かす習慣:体を動かさない生活習慣は危険因子の1つです。
鉄の補充と薬による治療
- 鉄のサプリメント:鉄が不足している場合は、鉄の補充が主な治療になります。
- ガバペンチン エナカルビル:発作の治療に使われる薬で、むずむず脚症候群や周期性四肢運動障害の主な治療です。症状を和らげ、悪化させることはありません。
- オピオイド:重い痛みを抑えるために短期間だけ慎重に使うことがありますが、重い副作用や依存のおそれがあります。
根本的に治す治療はありませんが、薬で症状をコントロールできることがあります。
パーキンソン病の薬についての注意
これまで、パーキンソン病の治療薬(プラミペキソール、ロピニロール、ロチゴチンなど)が、むずむず脚症候群の治療に使われてきました。
しかし、これらの薬は、むずむず脚症候群や周期性四肢運動障害の症状をかえって悪化させたり、吐き気、低血圧、強迫的な行動、不眠を起こしたりする可能性があるため、定期的な使用はすすめられていません。すでに使っている人は、自己判断でやめたり増やしたりせず、医師と相談しましょう。
出典によって異なる点:鉄は不足していない人にも効くか
MSDマニュアル家庭版は、鉄が不足している場合に、鉄のサプリメントを主な治療としています。
コクランのシステマティックレビュー(Trottiら、2019年)は、むずむず脚症候群に対する鉄剤について10件の研究(428人)をまとめました。鉄剤は偽薬と比べて、むずむず感などの症状の重さの点数を改善しました(確実性は中程度)。また、1件の小さな研究では、鉄剤とパーキンソン病の治療薬で同じくらいの改善がみられました。
鉄が不足している人では鉄の補充が基本です。鉄剤を使うかどうかは、血液検査で鉄の状態を確かめたうえで医師と相談しましょう。
むずむず脚症候群のポイント
- じっとしているときに脚を動かしたい衝動に駆られ、むずむずする感覚が出る病気です。
- 脚を動かすと楽になりますが、寝つきにくくなります。
- 家族歴、鉄欠乏、妊娠、腎臓病などで起こりやすくなります。
- 症状の説明から診断し、血液検査で原因となる病気を調べます。
- カフェインを控え、鉄が不足していれば補います。
- パーキンソン病の薬は症状を悪化させることがあるため、定期的な使用はすすめられていません。
むずむず脚症候群についてよくある質問
回答は一般的な情報であり、診察や医師による個別の判断に代わるものではありません。
むずむず脚症候群はどんな症状ですか?
静かに座っているときや横になっているときに、脚を動かしたい抗いがたい衝動に駆られ、焼けるよう、むずむずするよう、虫が這うような感覚が出ます。動かすと和らぎます。
むずむず脚症候群の原因は何ですか?
原因はわかっていませんが、3分の1以上の人で家族にも同じ症状がみられます。鉄欠乏、貧血、妊娠、腎臓病、糖尿病、カフェインなどが起こりやすくする要因です。
コーヒーはやめたほうがよいですか?
カフェインは症状を悪化させる可能性があるため、とらないことがすすめられています。
鉄剤はむずむず脚症候群に効きますか?
鉄が不足している場合は、鉄のサプリメントが主な治療になります。研究でも、鉄剤で症状の重さが改善することが示されています。
むずむず脚症候群は何科を受診すればよいですか?
睡眠の問題や神経の病気を扱う医療機関に相談しましょう。多くは症状の説明から診断でき、血液検査で鉄欠乏などの原因を調べます。
周期性四肢運動障害とは違うのですか?
周期性四肢運動障害は、睡眠中に20〜40秒ごとに脚がピクピク動く病気で、本人は気づかないのが普通です。むずむず脚症候群の人の多くに、周期性四肢運動障害もみられます。
出典
- MSDマニュアル家庭版 · 周期性四肢運動障害(PLMD)とレストレスレッグス症候群(RLS)
- Trotti LM, Becker LA. Iron for the treatment of restless legs syndrome. Cochrane Database Syst Rev. 2019
このガイドは一般的な情報であり、医師の判断に代わるものではありません。診断と治療は、診察と病歴によって決まります。緊急の場合は119番(スペインでは112番)に電話してください。
